2012年4月17日火曜日

mod 4で1の素数は2平方数の和


素数$p$が$p\equiv1\pmod{4}$なら,整数$x,\,y$が存在して
\[
 p = x^2 + y^2
\]
という結果はよく知られているが,それについてしばらくお話しします.

まずP. Fermatによる無限降下法を用いた証明.証明したいことより弱い結果,
整数$x,\,y,\,m$が存在して
\[
 mp = x^2 + y^2,
\]
ただし $0\lt m\lt p$, が言えたとする(これが言えることは後述).$m_0$をそのよう
な最小正の数として,$m_0=1$が言いたい.$m_0\neq1$とすれば $1< m_0 < p$.
すぐ分かるように$m_0\mid x$かつ$m_0\mid y$は不可能.$c,\,d $を
\[
 x_1 = x-cm_0, \quad y_1 = y-dm_0,\quad |x_1|\le \frac{m_0}{2},\quad
 |y_1|\le \frac{m_0}{2}, \quad
\]
となるように取ることができ,よって
\[
0 < x_1^2+y_1^2  < m_0^2.
\]
すると,
\[
 x_1^2 + y_1^2 \equiv x^2+y^2\equiv 0\pmod{m_0},
\]
よって
\[
 x_1^2 + y_1^2 = m_1m_0 \quad (\exists m_1\lt m_0).
\]
この式に,$x^2+y^2=m_0p$を掛けて整理すると
\[
m_0^2 m_1 p = (xx_1+yy_1)^2 + (xy_1-x_1y)^2.
\]
ここで$X=p-cx-dy$, $Y=cy-dx$とすると
\[
 xx_1+yy_1 = m_0X, \quad xy_1-x_1y = m_0Y.
\]
よって
\[
 m_1p=X^2+Y^2
\]
となり,$m_1\lt m_0$だから$m_0$の取り方に矛盾する.

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