2012年12月31日月曜日

大晦日

子供らを引き連れて午前中から外出.

樹脂の板を敷き詰めて,それをリンクに見立ててスケート靴で滑る「エコリンク」に連れ出す.上の子はすぐに慣れて,よちよち歩きをしていた.下の子は,生まれたての子鹿のようになって,足がぷるぷる震えていたり,転んでしまっても起き上がるのに七転八倒したりと,非常に面白い見物だった.

面白そうなので,見学を決め込むつもりだった私も挑戦する.と言っても,何年かぶり2回目なはずだ.足の裏に,一直線のエッジの形を感じて,しかし痛いと言うほどでもない.思ったほど滑らない.よちよち歩きになってしまう.

暖かい物を飲ませて,コーヒー豆も補充して,昼時を大分過ぎたころに帰宅した.

紅白を最後まで見ていたのは,私と上の子.除夜の鐘を聞きたいという.行く年来る年が始まると,こっくりこっくりと船をこいでいる.年が改まって,ニュースが始まったので起こす.「鐘,鳴った?」と言うので,テレビでずっとやってたじゃないかというが,話がかみ合わない.要約すると,年が変わる瞬間に,町中に響き渡るように,ゴーン,と鳴ると思っていたらしい.時の記念日の,正午の号砲とごっちゃになっているような…….

2012年12月29日土曜日

ノート

休暇に入った.読もうと思って持ち帰った資料を眺めたり,うたた寝をしたり,子供の相手をしたりして日々を過ごす.

今日は朝から青空だった.午後遅くなって,ノート他文具の消耗品を補充に外出する時も,ドタ靴ではなく,ジョギングシューズ.

いつものツバメノート(A4)の他に,Thinking Powerプロジェクトの,「Steam Punk」.A4ノート,30枚60頁,方眼,ミシン目が入っており,さらに2穴が開けてある(穴なしもある).これはかなり理想のノートに近い.

先日開催の北陸数論研究集会「素数と結び目」のウェブページでは,一部講演者の方(プロジェクタで投影して話された方)の資料を掲載中です.



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2012年12月27日木曜日

結び目

水・木と北陸数論研究集会「結び目と素数」が開催され,参加していた(主催側の末席におりました).

水曜までは荒天で,参加者の皆様にはずいぶんご負担をおかけした様子だった.今日は持ち直し,時折青空も見える天気.しかし冷え込んで,道路がそちこちで凍結している.

私も昨晩は金沢に一泊し,朝は足下を気にしながら会場入り.終日聴講.途中でノートが尽きてしまい,また万年筆のインクも涸れてしまった.出先にはインクを持って行くように気をつけよう.

予定の講演が済み,撤収作業終了後は今後の打ち合わせなどもあり,そしていつものように高速バスに乗って帰宅.

これが終わってようやく年の瀬という感じである.


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2012年12月23日日曜日

動物園

午前中の晴れ間が見えている時間帯に,家族で動物園へ出かける.

日射しが当たれば暖かいけど……寒いね,という陽気だが,スタンプラリーを完遂すると粗品が当たるというので,子供らは張り切っていた.シマウマやキリン,フラミンゴ,羊に山羊に豚,ペンギン,ウサギ,カピバラ,プレーリードッグ,レッサーパンダ云々で,一通り見て回る.大鷲や雷鳥を見て感心した.

丘陵なので,それなりの高低差がある.下の子は,最後はおんぶ.

スタンプラリーの景品は,絵はがきとティッシュで,子供は「え~」という感想だったけど,楽しんでいたのだから良いだろう.遅めの昼食を取って帰宅.

動物園に捕らわれた動物というのは,どんな気分なのだろう.宇宙人の動物園に捕らわれた地球人が,慰みに他の小動物(昆虫だったか)を飼ったところ,動物を飼うのは知性の証,として解放されるような短編SFを思い出した.誰の作かは思い出せないけど…….

2012年12月21日金曜日

冬休み

子供らは今日の午後から冬休みに入ると言うことで,早く帰るように言われつつ出勤.

マヤ歴がどうこうとかで,今日で人類滅亡などと脳天気な声も聞こえてくる中,通常営業でお仕事.来年度の授業担当を確認して,すこしだけ作戦会議.教科書のことも考えつつ,書棚を物色したり.そんななか,仕事が増えそうになり,弱る.

昼食を挟んで,午後もそんな調子.

人類滅亡なんて,まさしく杞憂で,もしそうなるとしたら個人の力を超越しているのは明らかだし,そもそも,今日自分が滅亡しないように,道路を渡るときにはよく左右を確認せねばならない.

早めに帰ったつもりだったが,家事も早めに進行していたようで,相対的にはいつも通りだった.柚風呂につかる.

2012年12月20日木曜日

ご時世


午前中は私用で,すこしゆっくりめに出勤.書き物調べものをするがすぐにお昼.日が射して明るい.

夕方からの談話会からの連想で,神保先生の量子群の本(「量子群とヤン・バクスター方程式 (現代数学シリーズ) 」)を自宅から持ってきたので,眺める.学部の4年の時に,同期が卒業研究のセミナでこの本を読んでいて(彼らは物理専攻だったのだが),付き合って一通り読んだはずである.が,ほとんど揮発している.

4年生だったのが,たしか1991年度で,前年には京都でICMがあり,DrinfeldやJonesやWittenがフィールズ賞を受賞したりして,数学と物理とが大いに接近していたご時世だった.

4時から談話会.

終わってから,メールを書いているうちに,また遅くなってしまった.

2012年12月19日水曜日

ミッション

午前中は書き物,そして事務作業をしていた.昼食を挟んで,午後は会議が二つ.

大学のミッションの再定義,というテクニカルタームがあるのだが,「ミッションの再定義ってなんでしょう?」「再定義なんだから,もともとの定義があるのでしょう.」「ではミッションとはそもそもなんでしょう?」「ミッションの定義が問題ですね」「ミッションの原義は「布教」では.」「ははぁ,長引く不況」「いやいや」という感じ(フィクションだと思って下さい).

さらにメールを書いているうちに,いつもより遅くなってしまう.

行き帰りの市電で,数理科学 2013年 01月号 [雑誌]を読んでいる.学生時代の先輩氏が寄稿しておられて,ありがたくもご恵贈頂いた.

昨日届いたKindle Fire HDは,やはりAndoroidマーケット(Google直営のアプリ売り場)が使えず,Amazon公設のそちらしか使えないので少し戸惑う.Webサービスなら,ブラウザ越しに何とかなるが,少し不便である.例えばDropbox,と思っていたが,モバイル版を直接インストールできることをTwitterで教えて頂いた.他にも,Google mapsのアプリがあると良いのだが,云々.root化するという手はあるが,気を遣うことが増えそうで乗り気でない.

2012年12月18日火曜日

Fire

1週間を月・火の2日で生きる男.火曜日は朝一で線形代数.

土曜日の補講で,固有値・固有ベクトルを導入し,その続き.ハイライトはCayley-Hamiltonの定理で,証明は,固有多項式がその行列式であるところの行列の余因子行列を考えて,それらの積を取ると対角成分に固有多項式が並ぶスカラー行列が現れて,云々.

無理して証明しないで,いずれ単因子論を学ぶときに先送りしても良いようにも思った.

2限目は代数学.素イデアル・極大イデアル,環の準同型定理まで.この調子だと,少なくとも群の定義ぐらいはできるだろうか…….

昼食を挟んでB4ゼミ.Legendre記号に対するガウス和(2次ガウス和)の符号を決める話.Kroneckerに依るという巧妙な証明を読んだ.

帰宅してみると,AmazonからKindle Fire HDが届いていた.本体,カバー,充電器と別々の箱で届き,それ以外に1点注文していた物が届いたので,全部で4点が一度に届いたらしく,家族が驚いていた.

Kindle Fire HDのセットアップは特に難しいことはなく,無線LANに繋いだ後は,アプリを導入するのにワンクリックの設定が必要だったことくらい.TwitterやFacebookなどの無料アプリでもそうである.普段使っている,LenovoのIdeaPadと比べると,相当に軽快に動く.

一方,通常のAndroidタブレットではなく,Amazonのお墨付きのついたアプリしか使えないなど,しばりもある.

意外に音が良いのが驚きだった.長辺が上下に来る向きに持つと,スピーカーが左右にくるような配置で,ステレオの分離感もある.HDMIの端子も出ているので,テレビに繋いでみたい.

上の短辺(カメラが左手にくる向き)に,ヘッドホン端子があるが,最初はそこに接続したヘッドホンから音が出なかった.結局,ケース(Amazon純正のもの)から取り出して接続したら問題なく鳴った.ケースの厚みで,十分に接続されないらしい.




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2012年12月16日日曜日

平穏

昼食を取りに家族で外出した後,投票へいく(家人は午前中にすませていた).結構な人出のように見えたが,ニュースでは投票率が低いという.

午後遅くなって日が傾く頃,散歩に出る.今の時期には珍しく,午後から晴れ間がのぞき,道路も乾いている.いつものドタ靴ではなく,ジョギングシューズで早歩き.2時間ほどうろうろして,日も暮れた頃に帰宅.

20時を回ると,テレビが一生懸命,現状を伝え始めた.平穏を望む人の上に,平穏がある世の中であってくれますように.

2012年12月15日土曜日

補講

風の強い夜だったが,暖かい風だったのか,雪が消えている.今日は,先週京都出張でお休みにした分を,補講.朝一で線形代数.

当学部では,半期に2回,土曜日に補講日を設けている.今日がその日の一方で,次回は年明け2月.時間割が立て込んでいて,3年生の代数学の方は補講を入れられなかった.そちらは年明けと言うことになるだろうか.

まばらな市電で出勤する.教室へ行くと,やはり出席率はいつもの半分という感じだが,斟酌せず進めた.線形変換の基底の取り替えによる表現行列の変化,固有値,固有ベクトルなど.

終わって,B4ゼミ生が質問に来るということだったので待機.昼過ぎまで一緒に考える.市電で帰宅したら13時を大幅に回っていた.

2012年12月14日金曜日

休暇

明日土曜日が,学部全体の補講日で,私も先週京都出張で休講にした分を補講する.その分を代休にしなければならなかったので,本日休業.

昨日から,初冬の北陸には珍しい青空が広がっているので,ちょっと足を伸ばして散策したりしていた.

補講の時間割を見ると,学年・学科によっては,1限から4限まで講義が入っていたりする.きまじめなご時世である.

2012年12月13日木曜日

談話会

学生時代の指導教官氏をお迎えしての談話会の日.珍しく青空だった.

談話会には,近隣大学から院生の方が来て下さったりと,盛況だった.Iwasawa-Tate理論(ゼータ関数をイデール群上の積分で表示し,関数等式などを群上の双対定理から証明する理論)が自然に拡張されるような概均質ベクトル空間の分類に関するご講演.

終了後は懇親会へ.同僚も交え,楽しい一時だった.

2012年12月12日水曜日

超人的

朝から耳を疑うニュースがテレビに映るので,やや気を取られる.少しゆっくり目に出勤.

自室で書き物をしたり,ちょっと計算をしたりする.書き物は今週中を目途にしたい.それとは別に,ちょっとした思いつきで積分の計算を始めるが,しだいに見たことがない人たちが紙上に現れ当惑する.数学辞典の公式集や,Sageも動員して続行.Sageは,Mathematicaのように,超人的な答えを返したりはしないので,使いやすいと思う.

夕方は少し早めに退勤.コーヒー豆を購入して帰宅した.

2012年12月11日火曜日

Gauss和さん

1週間京都に遊学し,今週からまた現実世界を生きている.

雪降る中,1限目に間に合うよう市電で出勤.歩道橋の電熱が故障しているのか,階段が雪の斜面になっていて危ない.以前,くだりで足を滑らせてひどい目に遭ったことがある.

1限目は線形代数.線型写像と,その行列表示の話.2限目,代数学.イデアルの演算と,剰余環.昼食を挟んで,B4ゼミ.平方剰余記号の相互法則のGauss和を使った証明など.法 $p$ の世界と法 $q$ の世界を取り持つGauss和は偉い.Gauss和さんありがとう,と唱えながら,17時頃終了.

行き帰りの市電の中で,玉木大「広がりゆくトポロジーの世界―言語としてのホモトピー論」を読んでいるが大変面白い.


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2012年12月9日日曜日

昨晩から雪が降り,起きてみると20センチはあろうかという積もり具合だった.

終日家にいて,子供らの相手をしたり,一緒にテレビを観たり,彼らが遊びに行ったらちょっとノートを開いてみたり,読みさしの本を眺めたりしていた.

子供が観ているドラマの原案になっているというので,恩田陸,「夢違」を読んでみた.500頁近い大部な小説だが,頁の組み方がぱらっとしているので,すぐに読み終わってしまう.中盤までは話を膨らませながら,なかなかコワイ感じが良いのだが,終盤につれてちょっと……風呂敷がたたみきれないまま(あるいは読者が大幅に風呂敷畳みを肩代わりする形で)終わるのだった.ちょっと見込み違いだった.

子供が読みたがったが,ドラマの主人公である教諭は登場しないと言うと,ふ~ん,といって,それ以上は言わなかった.

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2012年12月8日土曜日

誕生日週間

この時期は誕生日が続く.昼食を済ませて,午後早い時間から買い物へ.

すでにめいめい心づもりがあったようだが,そこはやはり子供,混雑する店内で,現物をみると目移りがするらしい.四の五の言うところをなんとかまとめる.コーヒー豆を補充し,あらかじめ注文しておいたケーキを受け取り,帰宅.

ケーキにロウソクを立てて,写真を撮る.毎日じわじわと大きくなっているが,こうして区切りをつけるのも何か意味があるのだろう.

しかし,電池を買い忘れていた.親のつとめとして買いに出かける.外は折からの強い冬型で,吹雪に近い天候だった.電気屋も,暖房器具を買い増す人などで混雑していた.

2012年12月7日金曜日

上洛(5)

ホテルをチェックアウトし,荷物を抱えてバスに乗り込む.どこへ行くのか,修学旅行の中学生がぎゅうぎゅう詰めになっていた.

講演開始とほぼ同時ぐらいに会場入り.午前のセッションを聴講.昼食は,8月に来たときにも入ったラーメン屋.そのときは気がつかなかったけど,麺にそば粉が入っている?ような風味.進々堂で一服して会場に戻る.

午後もまじめに聴講.最後のセッションが終わり,来年に向けてのご挨拶を聞いて,駅へダッシュした.タクシーで烏丸今出川まで行き,地下鉄に乗り換えるのが早いと教わった.

簡単に土産物を買い,18時過ぎの特急に乗る.京都到着の時に10分ほど遅れていたが,結局富山着は30分遅れ.

月曜から金曜まで,ほぼすべての講演を聴講したのは,学生時代以来久しぶりだった.日常と隔絶されて,素晴らしい1週間だった.

2012年12月6日木曜日

上洛(4)

朝から面白いものを読みふけっていたら出遅れてしまい,結局30分ほど遅参した.密かに皆勤を狙っていたので残念至極.しばらく歩いて,バス乗り換えをしないですむ路線で会場へ.

午前の講演を聴講し,昼休みに,今出川通りの進々堂へ.昼食を取って,今度は百万遍の文具店にてノートを補充.ちゃんとツバメノートのA4が手には入って嬉しかった.万年筆のインクは,取り寄せれば明日には入ると言うことだったが,そちらは見送り.

生協の書店へ行って,捜し物をするが見当たらず.会場に戻る.午後もまじめに聴講して,夕方から公式のバンケットに参加した.

帰路のバスで三々五々解散し,私は閉店まで時間がなかったがジュンク堂へ.そこでもお目当ての本は見当たらず,しかし本がたくさんあって,心地よい空気を吸って吐く.またしばらく歩いて,別の書店へも立ち寄るが収穫なし.

2012年12月5日水曜日

上洛(3)

少し出遅れて,開始5分前に会場入り.

午前の部をまじめに聴講し,今日こそ「ますたに」へ.あまり体によいようにも思われないので,行くときは一人で行くようにしているのだが,今日は何人かで連れ立っていくことになった.一服して会場に戻る.

午後は次第に人口密度が上がり,午後2コマ目の講演が始まる時には,100%をやや超えるのでは,というほどだった.

その後,短時間で終わる打ち合わせ.さらに,わりとゆっくり目に打ち合わせ.

2012年12月4日火曜日

上洛(2)

バス二本を乗り継いで会場に向かう.道中,そこかしこに警察がいるのをみた.

定刻の9時に10分ほど余裕を持って会場入り.9時は早朝だという説と,そんなことないでしょ,という説とがあって,どちらが正しいわけでもない.午前・午後のセッションをまじめに聴講.今日は剛解析や局所Langlands,MZVの話が多かったか.

夕食をとりながら某打ち合わせをして,宿に戻る.京都の地理に不案内なので,ちょっとした勘違いで1Kmくらいのずれが生じたけど,なんとかつじつまを合わせた.


2012年12月3日月曜日

上洛

朝5時半だとまだ夜の気配.月は明るく星が瞬く.足下は凍てついている.滑らないよう気をつける.

6時過ぎのサンダーバードで上洛.途中,金沢駅で遅れた七尾線と待ち合わせたり,福井で霧のため徐行運転をしたりで,20分遅れで京都駅.しかし,青空の下をしだいに京都へ近づくのは楽しかった.琵琶湖畔を走るあたりがお気に入りの景色だ.

研究集会「代数的整数論とその周辺」に参加するために京大へ.終日まじめに聴講したが,お昼休みに昼食を取りに「ますたに」へダッシュ.しかし定休日!毎年同じ事をやっているような気がする.「實徳」へ転戦するも,臨時休業.仕方ないので,以前入ったことがある定食屋へ行くが,初めて入るところだった…….

夜は打ち合わせ.

長丁場なのでうまくペース配分してがんばろう.

2012年12月1日土曜日

片思ひ

朝から,子供の催し物を観に一家でお出かけ.小雨の降る寒い朝.あらかじめ,ホールの暖房は入りません,という連絡があったので,山用の長袖のインナーを着込んだ.

親御さんがびっしりと詰め寄せたホールで,すきま風に腰を冷やされつつ観劇.子供らが歌ったり踊ったり劇をしたりするのである.たしかにかわいらしいのだけども,歌ったり踊ったり劇をしたりするからかわいらしいのではなく,それはもともとそうなのである.

「子供のそういう催しには行ったことがない」と澄ましてみたい,と思わなくもないけれども…….

終わって外を見ると,みぞれのような,雪のようなものがざくざくと降っている.昼食は外でとり,少し買い物をして,さらに昨日忘れた列車の切符を取りに行ったりして,帰宅したら午後も終わろうかという時間だった.

帰宅して一服しつつ,昨日切符と一緒に購入した,加藤和也先生の「数論への招待 (シュプリンガー数学クラブ)」を眺める.類体論とは何か,を伝える1章と,$p$進数についての話の2章とで構成されている.類体論と七五三,$p$進数は,見えぬけれどもあるんだよ,という感じで大変面白い.

1章の終わりで,窪田空穂の「とふとむもあはれむも皆人として片思ひすることにあらずやも」「今にして知りて悲しむ父母がわれにしまししその片思ひ」という歌がひかれていた.

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2012年11月30日金曜日

冒険

小雨の降る曇天をついて出勤.相変わらず静かだが,今日は同僚の訪問を受けたり,月曜からの出張の手配をしたりと,うろうろする.アームチェア何とかとはいかない(そもそも椅子にアームがない).

探偵と言えば,グラナダテレビ制作の,ジェレミー・ブレット版シャーロック・ホームズの冒険がBluーrayのセットで発売されるらしい.


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これはえらいことだなぁ.NHKで放送された,露口茂・長門裕之の吹き替えらしい.クリスマスのプレゼント(トゥーミー)に……と思ったが,それは既にKindle Fire HDがくるので,大変悩ましい.ドラマはグラナダ版,翻訳は延原訳,聖地の住所は221乙,という,割とよくあるファンである.

と,悩んでいたら,購入した切符を居室に忘れてきたようだ.とほほ.

2012年11月29日木曜日

静かな

出勤してみると,居室の暖房が入らない.そんな連絡があったような気がして,確認すると,その通りだった.

小雨が降っていたが,気温はそれほど下がっていなかったので,補助的な暖房器具と,膝掛けでしのぐ.早めに引き上げるつもりで,しかし結局いつもより遅くなってしまった.昨日の今日で同僚もあまり来ていないようだし,普段よりも静かな一日.

2012年11月28日水曜日

推薦

推薦入試業務の為,快晴の青空の下を,小学生よりも早い時間に出勤.寒い.

持ち場がまた廊下のひときわ寒いところで,石油ストーブはあるが,それに面している膝や太ももだけがじりじりと熱くなり,他は月の裏側のように,冷蔵庫の片隅にに忘れらたキュウリのように(クリシェ),しんしんと冷えている.比較的短時間ですんだのが救い.

後は控えに回れば良かったので,いつものように昼食を挟んで,午後は作文をしたりプログラムをいじったり,音大の金管楽器専攻の推薦入試は喇叭推薦なのだろうかと考えたり.意図したように動かない,と相談を受けたプログラムが,なぜ意図したように動かないのか原因が分からず,削りに削って3行程度にしても動かない.

結局,ライブラリの初期化関数に与えるパラメタが小さすぎるのが原因だったのだが,そんなことに思い至るにはかなりな想像力が必要だと思った(実際にはデバッグ版のライブラリをコンパイルして,gdbで追い詰めた).開発陣に報告したところ,バグだったらしい.すぐに直ったようだ.

2012年11月27日火曜日

演習

朝起きると,胃腸にくる風邪は劇的に治っていた……りはせず,やはり今ひとつなのだった.しかめ面で出勤.

1限目の線形代数は,演習回.受講者が思い思いに,解いてきた解答を板書し,黒板が埋まったら順に解説をして貰い,ときどき私が合いの手を入れたりするという伝統的なスタイル.解答者が引きも切らず,黒板の陣取り合戦が繰り広げられる,という感じでもなかったが,かといって,「誰か解く人いませんか~」と私がむなしく叫び続ける,と言うほどでもなく,平穏のうちに終了.

演習のやりかたは幾つかあって,他に,あらかじめ受講者に問題を割り当てておくとか,はじめから小テスト形式でやるとか,どれもやったことがあるが,上のやりかたが使えるならそれが一番好みに合う.板書を待っている間に机の間を回り,質問に答えたり,質問を促したり,受講者同士で相談しているのを観察したりしている.

2限目の代数学は,イデアルの話.単項でないイデアルの例など話しているうちに些か脱線してしまった.

なんとか授業を終えると,心なしか体調も改善していて,昼食を挟んでB4ゼミ.代数的数の全体が体をなすとか,代数的整数の全体が環をなすとか.都合で,心持ち早めに終了.

明日も早いので(推薦入試なのだ),早めに引き上げるかな,と思っているところへ,質問を携えての来客有り.一緒に考えているうちに,いつもの時間になってしまった.

2012年11月26日月曜日

胃腸炎

さて昨日,私が山で芝刈りをして下山してみると,家では胃腸にくる風邪が猖獗を極めていた.家人も子供たちも,おのおのの仕方で弱まっている.

週が明けて今日はまず病院へ.胃腸にくる風邪ですね,ということで薬を貰い,それを見届けて出勤.昼食を挟んでM1ゼミ.少し早めに始めて,少し早めに終了.素判別式の2次体と素数分体などなど.

帰ろうと思ったら市電が来ない.何か事故なのだろうと,5分ほど待ったところでバスにスイッチし,いつも通りに帰宅.午後から私も胃腸の調子がおかしかったが,案の定で,夕食後から断末魔のうめき声をあげるのだった…….

2012年11月25日日曜日

初滑り

恒例の,11月初滑りで立山へ行く.地元に住んでいるのだから,わざわざ混雑する連休に行かなくてもいいようなものだが,今年は週末に晴れることが少なかった.

立山駅から美女平へのケーブルカーが,工事中で運転休止.立山駅からバスで室堂まで直通である.大混雑で,8時半に立山駅について,乗ったバスは9時半.(2~3時間待たされる,という時代もあったそうだが).

室堂出発が11時と遅くなったので,雄山は割愛して,一ノ越(正午着)で一服.あとは祓堂に荷物を置いて,滑っては登り返すのを何回か繰り返した.雪は十分あるが,吹きだまりができるほどでは無い.しかし快適に滑る.

15時半のバスで下山.電車を乗り継いで帰宅した.良い一日だった.


2012年11月23日金曜日

図書館の思い出

一日雨模様.

午後遅くなって,買い物その他の用足しに,一家で出かける.コーヒー豆を買い,図書館に行って子供らが本を借りるのを見守る.タッチパネル式の検索端末を操ったり,図書館員の方に所在を尋ねたりしている.荒天の祝日のせいか,図書館は混んでいた.

さらにスーパーに寄って買い出しだが,私は車中でうたた寝.帰宅後,図書館で借りてきたDVDを観ながら,おやつ.

自分が子供の頃も,よく市立図書館に行っていた.児童書の部屋と,一般向けの部屋とに別れていて,初めのうちは児童書部屋で脈絡なく借りていたが,やがて続き物を読むようになった.「赤毛のアン」シリーズ,「アルプスの少女ハイジ」シリーズの他,江戸川乱歩の二十面相もの,ルパンのリトールドものなど,どれも一通り読んだはずだ.が,ほとんど何も覚えていない.高学年になると,今度は一般向けの部屋に出入りしていたはずだが,何を読んだのだろうか…….

4年生か5年生の時に,井上ひさし,例えば「ブンとフン」や「ドン松五郎の生活」など,を何冊か読んだ(そういった本を薦めてくれた友人がいたのである).後者の挿絵を,小学校の図工の時間に描いた記憶がある.前者は小説の地の文の中に突如コーラスのような物が挿入され,舞台演劇のような印象があった.他に,星新一などのショートショートや,豊田有恒らのジュブナイルSFも濫読した.

中学生になって,ソフォクレスの「オイディプス王 (岩波文庫)」を読んで(ほとんど数学の証明と言って良いような,まったく無駄のない緊密な構成に)大いに感銘を受けたのだが,要所要所でコロス(合唱)が挿入されるのをみて,何とはなしに,「ブンとフン」を思い出したものである.

2012年11月22日木曜日

元気

いつになく暖かい日だ.机に向かって地味な仕事をしつつ,夕方から定例のセミナのため,金沢へ.

M2氏が修論の結果を講演された.彼がお手本にした論文の著者も来ておられたり,同期や後輩にあたる院生諸氏も来ておられたりと,いつになく賑やかで活気があった.若い人が元気に数学をしていると,実に元気づけられる.

懇親会の席上,自己紹介と言うことになって,昨年の今頃取り組んでいた問題が,外国の人に解決されてしまい現在無職です,のような事を口走ったのだが,ちょっとよろしくなかったと反省している.解決されたのは,ある意味で半分であり(しかし残っている半分の方はかなり難しい,のかもしれない),また別の見方も出来るのである.

バスに乗って帰宅.何列か後ろの客がしきりに咳をしていた.私はようやく風邪が一段落したところなので,気になった.

2012年11月21日水曜日

当たり日

久々に会議の当たり日で,12時過ぎから19時過ぎまで3つの会議をはしごした.しかも,座っていれば良いというのではなく,それぞれに発言というかプレゼンというか,が必要だった.

と言うわけで,ほとんどなすところなく一日が過ぎていくわけだが,そんな日もあるのだろう.

正17角形を,コンパスだけで作図する(定規は使わない),という論文(L. Gérard, Construction du polygone régulier de 17 côtés au moyen du seul compas, Math. Ann. 48, 1897)を教えて頂いた.会議続きで干からびた心に慈雨のようにしみる.コンパスの柄の部分を定規代わりにするとか,そういうとんちクイズではない.正17角形を作図すると言うよりは,円周を17等分する,といわねばならないだろう.

共立出版から,青木昇先生の「素数と2次体の整数論」がこの年末に出版されるようだ.楽しみ.

2012年11月20日火曜日

Eisenstein

少し早めに出られたので,それほど混んでない市電で出勤.座って,1つ用事を済ませることができた.

朝一の線形代数.小テストを採点してみて気がついたことをいくつか注意する.一次独立の定義を勘違いしている人が一定数いる.(この部分を担当すると,毎回そういう受講者が一定数いる).

引き続き代数学.多変数の多項式環の話をして,イデアルと剰余環の節に進む.

昼休みをはさんで,午後はB4ゼミ.Ireland-Rosenの本で,Eisensteinによる平方剰余記号の相互法則の証明(リンクはGDZで公開されている原論文)を辿る.SerreのA Course in Arithmetic (Graduate Texts in Mathematics)でも1章のAppendixとして収められているが,やや電報調.Ireland-RosenのA Classical Introduction to Modern Number Theory (Graduate Texts in Mathematics)はずっと読みやすい.これはお見事鮮やかとしか言いようがない.

170年近く過ぎて,遠く日本で,自分の証明が読まれるなど,Eisensteinは予想しただろうか.GaloisやAbelほど有名ではないようだが,Gaussが激賞した天才であり,そして30歳になる前に,結核で早世している(1823生まれ,1852没).1843年にダブリンでHamiltonに会い,Abelの仕事についての本を貰ったりしているそうだ.1847年にはベルリン大学で教えるようになり,その教室にはRiemannもいたという.

全集があり,それについてのWeilによる書評が公開されている.

2012年11月19日月曜日

眺望

夕方までは晴天で,特に昼過ぎまでは山が白く輝き大変美しかった.


写真は薬師岳(続きは末尾に).既にすこしもやがかかったようになっているが,もう少し早い時間には,北ノ俣岳まで見えた.

午後は例によってM1ゼミ.ガロア理論の復習が続く.スピーカ氏が所用があるとかで30分ほど早く切り上げる.

午前からいじっていた行列式の数値を計算機実験などしているうちに帰る時間になる.小雨がぱらついていた.

2012年11月18日日曜日

対比

午前中,とやま科学オリンピックの件で外出.若人が真剣に問題に向き合っている姿からは,何処かで聴いたことがあるような台詞だけど,「新しい希望」という印象を受ける.

終了後,家族と合流して昼食.30分ほど歩いて移動してきたせいか,チェーン店でも美味しく食べた.空腹は最上のソースだ.

午後は,週末からこちらに来ている親族とのんびりとすごす.子供たちは大喜びでまとわりついている.私は隙間の時間を見て,山内 マリコ ,「ここは退屈迎えに来て」を読んでいた.

作者は富山出身の方だそうで,書店にも「富山をイメージして書きました」というような自筆とおぼしきポップが出ていた.そこここで,具体的な場面が想像ができる.東京へ出て,そして地元に戻った女性たちの……ちょっと留保がつくのだが,ともかく……視点で,地方都市の空気を叙述した短編連作,個々の作品には緩いつながりがある.面白いか,といわれると,どうかなぁ,というところだけど,こういう感じ方を言葉にしてくれる人を喜ぶ人がいる,と言うことはよく分かった.


ここは退屈迎えに来て
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山内 マリコ
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2012年11月15日木曜日

音源の数

昨日の,円周をコンパスと定規だけで65537等分する話の続きは,当然レムニスケートを同様に分割する話かな,と思ったら,それは既に以前書いていた()ので割愛.

講義の下読みや小テストの採点,ゼミ生の質問に回答,その他すべきことをしている間に16時.談話会に出る.マイクで拾った音から,音源の数を推定するというお話だった.個人的な興味で,「音のアレイ信号処理 (音響テクノロジーシリーズ)」などを夏休み中,ぱらぱらと眺めていたのだが,そちらとはかなり定式化が違い,純粋に逆問題として定式化されているようだった.

少し空模様が落ち着いたところで,市電に乗って帰宅.車中で,音源の数と言っても,例えば,パン!と手をたたいたときに音源の数はいくつだと思うのだろうか.また,ギターをじゃら~ん,とならしたとき,それはギター1台の音なのか,5本の弦の音なのか,などらちもないことを考えていた.


2012年11月14日水曜日

正65537角形

夕べから,雨風雷の荒れた天気で,今朝も引き続きそんな調子だった.北陸の冬空.

朝食後も寒くてしょうがないので,体温を測ってみたら36℃丁度だった……冬眠か.しばらく暖を取った後,よろよろと出勤する.

午後は会議で缶詰.16時半頃に自由の身となった.

中島先生の「代数方程式とガロア理論 (共立叢書 現代数学の潮流)」によると,StewertのGalois理論のテキストには,正65537角形をコンパスと定規で作図した人はいない,と断言してあるらしい(私は未見).続けて,「いない」と断言するのは難しいのでは,という穏当な意見が述べられていて,私は,それはそうですけど,でもいないのでは,と思っていた.

例えば,$\theta = 2\pi/65537$ としたときに $\sin\theta = 0.000095872336200226819700455879105490150553140587845606970...$ であり,これが0.9cmちょっとになるようにするには,円の半径が100mでなければならない(あってますよね).なので,やはり事実上無理なのではないかと思っていた.さらに,誤差の累積など考えると,現実的ではない.

しかし,Coxの「ガロワ理論(下)」によると,19世紀末の数学者Johann Gustav Hermesは,コンパスと定規による円の65537等分の研究に10年を捧げ,その結果を出版している.実際に作図をしたのではなく,その手順を書き下したのではないかと思う(ちゃんとみてません.ドイツ語に堪能な方の解説求む).

NHKの「大科学実験」みたいな番組で試して貰ったら面白いだろうか.

2012年11月13日火曜日

どっちつかず

朝一の線形代数の直前に,


などとつぶやいたら少しく反響があった. 本によっては,ベクトル空間を公理的に導入したのは良いが,基底の定義には,有限生成の場合しか書いてなく,暗黙に,この場合のみしか扱わないということがある.(明示的に,その場合のみを扱うと宣言している本もある.例えば齋藤正彦先生の本).

有限生成の場合で十分では,という意見もあるとは思うが,例えば体の拡大の次数は,上の体を下の体上のベクトル空間と思ったときの次元で,そのときも有限生成の場合しか考えないのか,というとそうもいかないので,やはりどこかで,基礎体上有限生成でないベクトル空間の(代数的な)基底の話をしておかないといけないはずである.(例えば藤崎先生の「体とガロア理論 (岩波基礎数学選書)」には,I章に,無限生成の場合も込めて,ベクトル空間の基底の濃度が基底の取り方に依らないことの証明が載っている).

引き続き代数学.多項式環など.詳しくはテキストを読んで下さいね,という技を頻繁に繰り出している割に,思ったように進まない.

午後はB4ゼミ.平方剰余記号,Jacobi記号の性質など.平方ではない整数 $a$ に対して,素数 $p$ で,$a$ が法 $p$ で平方非剰余になるものが無数に存在する,という定理の証明が面白かった.

2012年11月12日月曜日

Q太郎

夕べバリカンが今ひとつの結果に終わったことについて,朝の光で家人が見たところ,直ちに修正すべき,という程の惨状であるらしかった.後ろ頭のことなので,自分ではよく分からない.

洗面台で再びバリカン.今度はアタッチメントを間違えず,思うようにできた.

などとしているうちに,慌てて朝一の会議に駆けつける.午前は缶詰.

午後はM1ゼミ.中島先生のガロア理論の本を卒業(したことに)して,数論らしき事を始めようとするが,まだガロア理論の復習である.複素数体の中に,有理数体の代数閉包を固定して,その部分体として話を進めるトップダウン方式なので,話は早くなるが抽象度は上がる.複素数体の自己同型で,恒等写像でも複素共役でもないものを挙げよと言われると困ってしまう.(連続である事を仮定するとこれらに尽きる).

有理数体の代数閉包の自己同型の典型例は,複素数体の自己同型を制限したものだが,上の事から,この方針では具体的な記述は不明である.一方,有限次代数体の自己同型を拡張する際にも,Zornの補題を経由するので具体的なことは分からない.

などと言いつつ,ゼミの間に思いついた"over $k$ の $\mathbf{Q}$ 太郎~" が気に入ってしまい,頭の中で繰り返されるのだった.

2012年11月11日日曜日

バリカン失敗

こどもの相手をして,プラレールの線路を並べたりする昼下がり.しかし近所に遊びに行ってしまい,私が畳の上でぽつねんと電車を走らせるのである.

週末から読み出した本を読み進めたりもする.割と面白い(数学の本です).そんなことしている場合かというのは,この際おいておく.

夕食前に,暗くなってから散歩に出る.用もないのにうろうろ歩いている人を見るて何だろうと以前は思っていたが,自分がそんなことをするようになって分かった.散歩なのだ.

風呂に入る前に,さっと頭を刈っておこうと,バリカンを持ち出して頭をなで回す.家人が来て,なんでこんな時間に,と驚くが,風呂に入る前にやるのは合理的だ.しかし,いつになくうまくいかない.刈り残しの毛があちこちにぽやぽやと残る.結局30分もそんなことをしていたのに満足行くようにはならず,しかも上半身裸だし,治りかけの風邪に塩を送るようなものであった.

風呂から上がってからよく見たら,バリカンにつけるアタッチメントを間違えていた…….すき刈り用のアタッチメントだった(本当は3ミリのそれをつけたかったのだ).それにしても,三面鏡に映ったバリカンを思うように動かすのは大変難しい.人生には学ぶべき事がまだまだたくさんあると実感する.

2012年11月9日金曜日

エリア

結局週の間は風邪をだましだまし過ごすことになった.発熱はないのが救いだ.

幾つかしなくてはならないこと,しておいたほうが良いことをしているうちに,午前午後と過ぎていく.

帰りにコーヒー豆を買いに,いつものお店に立ち寄る.「エチオピア イルガチェフェG-1・ナチュラル」というものが入ったと言うことで,試しに100グラム,あとはケニアを200グラム.帰宅して,夕食後にエチオピアを淹れてみたが,確かに独特の風味が強く残っていて,好みが分かれるかもしれない.私ももう何回か飲んでみないと,結論は出せないという印象だった.

ちょっとした思いつきがあって嬉しかったのだが,それは大事にノートに記録して,Sony Readerで「エリア随想録」(平井正穂訳)でも眺めつつ,休もう.

2012年11月8日木曜日

理想

風邪がお腹に来たらしく,自分の最寄りの手洗いを意識しながら出勤.

昨日までのドタバタのせいか,「大学が多すぎる」という謎の主張をひんぱんに目にする.東大だけあれば良いという人も,旧帝大だけあれば良いという人も,都道府県に1つずつあれば良いという人も,みなそう言うだろうから,実際には何も主張していないと思う.国立大学法人を国立大学法人機構みたいなもの一本化して,既存の国立大学法人を,各地にある学校,ということにしても,やはり「大学が多すぎる」問題への解決になるのだろうか.

大学で学ぶべき事は確かにあり,それを各人が見つけやすくするために,大学の数も種類も増やし,学部学科のみならず,大学の間を渡り歩くことも容易にすればよい.特に,学費をもっと安くすればよい.

それは余りにもおおざっぱで現実味のない理想論かもしれないが,大学の教員はまず,大学での教育についての理想を語るべきと思う.大学の教員がそれを語らないなら,誰がそれを語るだろうか.

夕方から,定例の金沢でのセミナのために移動.例によって,大いに元気を頂いた.

2012年11月7日水曜日

うまくはない

風邪がまだ喉鼻に居座るので,マスクで顔の半分を覆って出勤.午前中は時折,青空の見える空模様.書き物をしたりする.

しかし間もなく天候が急変.雷鳴がとどろき雨が強く降る荒れた天気になった.富山空港では到着便に落雷による損傷が見つかったりして,発着が乱れたらしい.

昼食前に葛根湯を飲む.調味料というか,インスタント食品のスープの素というか,とにかく薬のようには思われない.うまくはないが,慣れてきた.2包まとめて飲むと効く,と,ある筋から聞いたことがある.しかしその筋は辿ると,漢方も作る製薬会社に連なるので,ニュートラルな発言かどうか.

午後は会議.

終わって,院生の方が使うパソコンのセットアップ,特にネットワークに繋ぐ作業につきあう.特になんと言うこともなく,プリンタを使えるようにし,TeXのインストーラを走らせて,後は任せました,と引き上げてきた.

アメリカの大統領選もさることながら,先週末にひっくり返された大学の新設,どう収拾するのだろうと思っていたが,案の定,撤回.巻き込まれた皆様には,衷心からお見舞い申し上げたい.

2012年11月6日火曜日

嗄れた声

起きたら声が出ず,これは困ったことになった,とかすれ声で独りごちる.コーヒーを淹れて一口飲んだら少しましになったが,講義2コマがつとまるか?

雨の日の市電の人いきれに辟易しながら出勤.体調もいまひとつだが,すぐに1限目の線形代数へ.「声が出ません」と板書し,つぶやくような声で講義.

引き続き2限目の代数へ.やはり「声が出ません」と板書し,さらにかすれた声で講義.

葛根湯を飲んで,昼食を挟んでB4ゼミ.こちらは最近,少しおとなしくしていようと心がけているので,声が嗄れているのは好都合だったかもしれない.平方剰余記号が導入され,いわゆる第1,第2補充法則の証明.後者はGaussの補題にもとづく初等的な証明だった.

ゼミでの雑談の際に,文字の書き順が話題になった.「様」という字を書けと言われて,旁の部分を,上下に分けて書くという間違いをしていることを指摘された.と言うより,私は普段,「樣」の方を書くので,それにつられたのである(いいわけがましい).漢字は難しいです.

2012年11月5日月曜日

ぬるい夜風

土日につついていた件を,月曜の朝に放出して,一仕事終わった気分.

まだ少し喉・鼻に風邪が残るが,暖かい日なので,マフラーはせずに出勤.昼食を挟んで,午後は例によってM1ゼミ.中島「ガロア理論」を一応終わったことにする.

同書のそこここに,$x^4-10x^2+1$という多項式が現れる.これは,有理数体上では既約だが,どの素数 $p$ で簡約しても(つまり係数を法 $p$ で考える.例えば $p=3$ なら $x^4+2x^2+1$ を$3$ 元体上の多項式と思う)$p$ 元体上では可約になるという性質を持つ.これはガロア理論と言う,体の(分離)拡大に通用する一般論を越えた,有理数体に特有の理論でないと説明がつかない.

と言うわけで,ようやく代数体の理論に入れそうな晩秋であります.

ゼミに続けて,某会議があり,18時まで詰める.終わってからメールの返事を書いたりして,慌てて帰宅.しかしまだ夜風が生ぬるいのだった.明日は雨だろうか…….

2012年11月4日日曜日

ゴーグル

昨日の小雨模様と打って変わって,朝から青空のひろがる好天だった.山が白く輝いていて,ちょっと様子を見てきたいが,そうもいかない.

昼過ぎから家族で外出.毎月買っているこどもの雑誌や,最近気に入っているらしい,こども向け小説,その他,自分の買い物もする.催し物で,住宅メーカーが色々と展示している一角で,積み木をしたりして遊ばせた.

帰宅して,買ってきた漫画を読みながら一服.豊田徹也 ,「ゴーグル (KCデラックス)」.以前,「アンダーカレント アフタヌーンKCDX」を読んで以来,単行本を買っては読んでいる.ちゃんとお話が作り込まれていて,その手の内にあるのが心地よいような(必ずしもハッピーな話ではいけれども),そんな作家さんだと思います.今作も幾つか,にやりとさせられる小技があって楽しい.

その他,「関数プログラミング入門 ―Haskellで学ぶ原理と技法―」も購入.前の版の,武市先生訳の「関数プログラミング」も昔ながめたのだが,Mirandaの処理系を用意して試すところまではしなかった.使われる言語がHaskellになり,すこし増量されたようで,楽しそう.

ゴーグル (KCデラックス)
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2012年11月3日土曜日

みこし

土曜なのだが催し物が2つあり,まず8:30に子供を連れて某所へ.行ってみたら,そんなに気張らなくてもよい雰囲気で,いささか前のめり過ぎた.所用を果たして帰宅したら10:30.

引き続き,毎年,文化の日に行うのが恒例の,町内こども御輿へ合流.家人がついて回っていたので,交代した.家々を練り歩き,わっしょいわっしょいをやるのである.時折小雨のぱらつく,晩秋と言うより初冬の雰囲気だが,子供たちは元気に……やはり寒そうではあった.終わってからお昼のお弁当が振る舞われた.終わって帰宅したら13:30.

風邪気味なので,後は家でじっとしていた.


2012年11月2日金曜日

ミント

昨晩から今ひとつだったが,起きたら鼻と喉にくる風邪にかかっていた.マスクをして出勤.

仕事中になにげなくガムを噛んだら,ミントの香味がマスクを伝って目に入り,一瞬ひるんでしまった.目は覚めるが,手元がにじんで見えなくなってしまう.

しょぼしょぼと計算をしたりプログラムを書いたりして,少し早めに帰宅.

大学の新設を,文科大臣が最後の土壇場でひっくり返した,というニュースに驚嘆した.あれはどのように収拾がつくのだろう.

2012年10月31日水曜日

紙の冊子

終日,調べ物,書き物,書き物のとりまとめや,たまっていたメールに返信するなど,粛々と過ごした.おかげで目が疲れた.

調べ物の途中,アメリカの某専門誌を見ようと,そのwebにアクセスしたが,何度やってもつながらない.所在地から推測するに,ハリケーンの影響?と思ったら,確かにそうだった.停電の影響だったらしい.困った,見られない,と一瞬思ったが,よく考えると紙の冊子はあるのだった.MathSciNetというオンラインの抄録誌を調べて,そこからリンクを辿って論文を見る,という流れに慣れると,紙の論文誌が念頭からこぼれ落ちてしまう.

MathSciNetも,もともとはMathematical Reviewという,電話帳のような分厚い冊子だったのだが,来年には廃刊され電子媒体に一本化されるという.

いまは電子ジャーナルと言うが,近い将来,ジャーナルと言えばオンラインの方で,昔ながらの紙の冊子を,紙ジャーナルというようになるだろう.

しかし紙の方が目には優しい.EInk(電子ペーパー,とはまた面妖な単語)は,まだまだ普及したとはいいづらい.特に,論文を見るのに十分な大きさ(9~10インチは欲しい)のものは.欲を言えば,9~10インチのEInkディスプレイが見開きになっているようなものが良いが.ニッチ狙いの周辺機器メーカーが発売しないだろうか.

2012年10月30日火曜日

142857

1週間を週の初めの2日間に集約している.M1ゼミが月曜午後,火曜午前に講義2つ,午後にB4ゼミ.しかしこれは経験に裏打ちされた最適化で,精力がかろうじて残存する間に,仕事を済ませようというものである.

1限目は1年生の線形代数,妙に進まず,さすがにてこ入れが必要な気がしてきた.毎回,終わりの10~15分で小テストをする(成績には反映させない).今日は,例題を読んで,理解して(少なくともそれを試みて),本を見ないようにしながら紙に書く,という課題.これは,ただ勉強しなさい,というよりは具体的で効果が期待できる.

2限目は3年生の代数学.部分環,環の直積,行列環その他.こちらももうちょっとねじを巻かないと,最後の群論にたどり着けずに終わってしまう.以前,それが現実になってしまったことがあって,次の年度の(4年生になった受講者対象の)代数学特論を担当した同僚に,「群論を教わってないと言うんだが?」と詰め寄られたことがある.私はにこやかに,「群論をお願いします」と申し述べました.

昼食を挟んで,午後はB4ゼミ.Ireland-Rosenの,既約剰余類群の構造を決定するあたりの締め.何の話の流れだったか,$1/7 = 0.\dot{1}4285\dot{7}$の話をしたら,知らないというので,少し解説した.$k/7$, $k=1,2,\dots, 6$ を循環小数で書くと,$1/7$ の循環節をずらしたもの(巡回置換)である,等々.これは $10 \pmod{7} = 3\pmod{7}$ が mod $7$ の原始根である事から従うのだが,詳しくは然るべき書物を見て頂きたい.じつは同じような事が,$$1/49=0.\dot{0}2040816326530612244897959183673469387755\dot{1}$$にも言える.

数字の間違いがあったので訂正して再送します….

2012年10月29日月曜日

類似

午前中はみっちりと会議が入り,2時間ほど缶詰になる.

昼食を挟んで,午後はM2ゼミ.解の公式を持たない5次方程式の例や,有限体の拡大の話.ゼミの本題が始まる前に,すこし雑談をしすぎてしまった.$abc$予想から始めて,Weilの3言語のテキストから,素数と結び目の類似まで.

Andre Weilが兵役忌避のために獄中にあったとき,妹のSimoneに送った手紙で,数学における類似について述べたものがある(全集1940a).その英訳が以前Notice of AMSに掲載されている.

2012年10月27日土曜日

自由

Kindle日本上陸に伴い,アメリカAmazonで購入する電子書籍の値段が跳ね上がった云々で驚いたりもしていたのだが,これはこちらにできることがほとんどないので,しょうがない.ITメディアの「AmazonのKindle洋書、日本向けは値上げ? Kindleストア日本版の影響か」など読んで心を落ち着かせる.

電子書籍にせよ紙の書籍にせよ,知りたいことがあるときに,所有する際のハードルができるだけ低いに越したことはない.「veritas liberabit vos 真理はあなたたちを自由にする(ヨハネ8.32)」.本が手に入れにくい事は,大きく自由を損なう.

秋晴れの一日,午後から大きな公園へ家族で繰り出し,アスレチックで遊んだり芝生の上を駆け回ったりした.帰りは,電車に乗りたいという要望を入れて,ほんの何駅かだけ乗った.

2012年10月25日木曜日

元気

Kindle日本上陸後の初日で,いろいろと情報が飛び交っていた.アメリカのamazon.comからKindleデバイスを購入して,あるいはKindleアプリを使ってPCやタブレット端末で使っていた人たちそれなりにいた.彼ら・彼女らの主な関心事は,
  • 日本のamazon.co.jpで購入したKindleデバイスで,これまでamazon.comから購入した電子書籍は読めるのか
  • アメリカのamazon.comから購入したKindleデバイスで,これからamazon.co.jpの電子書籍は買えるのか,読めるのか
などなどであった.結局,amazon.comの側に,アカウントの結合(consolidation)を行うためのページが出来て,そこで簡単な手続きをすればよいということだった.

しかし,一度アカウントを結合してしまうと,今後はどちらか一方のamazonからしか電子書籍の購入が出来なくなるなど,副作用がある.(amazon.co.jpの「アカウントの結合」説明のページ,ITメディア「Kindle本の日本発売で米国アカウントユーザーが注意すべきこと」)

私はしばらくアカウントの結合を見送ることにした.年末にKindle Fire HDが届けば,そちらはamazon.co.jpにひも付くことになる.

日中はいくつか済ませるべき用事があって右往左往(比喩的に.実際には机の前に座っているだけだ).意外な見落としがあって赤くなったり青くなったりした.

夕方から金沢へ.いつものゼミである.今回も院生とおぼしき若者が5~6名いて心強い限りだった.$S$単数の巾根で生成されるKummer拡大についての講演を聴講.さらに幾つか打ち合わせて帰路についた.元気が出ます.元気で行こう.

2012年10月24日水曜日

Kindle上陸

ようやく日本でも,Amazon Kindleが発売された……でるでると言われ続けて数年,長かった.

Eink端末は先日購入したSony Readerがあるので,Kindle Paperwhiteは見送り,発売は12月19日のKindle Fire HD 16GBにした.本当は9インチの端末が欲しかったのだが,今回は発表されなかった(アメリカでも発売は年末).

日本語の電子書籍にはあまり期待していないのが正直なところである.Sony Readerと紀伊國屋のBookWebを併せても,現時点では読みたいものはそれほど見つからない.いまのところ,大手の出版社が続々と遡及的に電子化を行うとも考えづらい.

ではなぜ国内版のKindleを買うかと言えば,一つには手元のタブレット端末(Lenovo IdeaPad Tablet)の非力が目につき,更新したかったから.もう一つは,期待していないとはいえ,一抹の希望もあるので,と言ったところだろうか.

既にiPadやAndroidのタブレット・スマートフォンをお持ちの方で,Kindleってどんなサービス?という方は,慌ててKindle端末を購入する必要はない.10月25日に,アプリが公開されるので,それで日本語の電子書籍を読むこともできる(はず).EInk端末の表示は,なじめない人もいるようなので,一度実物を見てからの方が良いとも思う.


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2012年10月23日火曜日

体力だ!

雨の日の1限は早出である.小学生ほどではないが,中学生がうろうろしている時間帯に,市電に乗り込む.

例によって線形代数.部分空間をやっつけ,一次独立などの定義や例をやる.2限目は代数学.部分環.90分間板書しつつ話をしつづけるのを2セット,これはやはり体力がいる.

昼食を挟んで,午後はB4ゼミ.Ireland-Rosenで,既約剰余類群の構造を決めるあたり.できるだけ介入せず,スピーカ氏と参加者とに何とかして貰おうと心がけたのだが,やはり口を挟みすぎてしまう.自覚しているのだが…….

ゼミの後に(時によっては数日後に),そのとき話題になった論文がダウンロードできるURLや,雑談のネタにしたURLなどを参加者に送るのだが,これはもしかしてメルマガかもしれない,と思いついた.今日は「数学は体力だ!」に触れたので,後で送るのを忘れないようにしよう.

終日降り続いた雨の中,コーヒー屋で豆を買って帰る.

2012年10月22日月曜日

ばうばうと

昨日の催し物の振り替えで,子供は休みらしい.尻目に出勤し,午前は調べ物をしたあと,学内のカフェで仕事.調べ物で見つけた文献が気になるが,授業の下読み優先.お仕事お仕事.

午後はM1ゼミ.引き続きガロア理論の終盤.

終わってから,書類をいじったりメールをやりとりしているうちに帰る時間になった.晩秋にしては暖かい一日だったが,日が暮れた後も,生暖かい,強い風がばうばうと吹いていた.よろよろしながら帰宅した.

2012年10月21日日曜日

ラムネのビー玉

子供が通う学校の催しがあり,午前~午後の早い時間にかけてはそちらに参加.子供らが歌ったり踊ったり劇をしたり,近隣の別の学校からも出し物があったり.

英語の劇(桃太郎の英語版)が面白かった.何が面白かったのかは説明しづらいが……見ているこちらで,メタな展開を考えているのが面白い.日本の昔話を,バックグラウンドを共有しない人に説明しようとする,というのは良い課題かもしれない.

更に,演芸が終わると,今度は校舎内でゲームやくじ,飲食物の販売など.ごった返す校舎内を右往左往するのだった.

ラムネのビー玉が不思議でしょうがないらしく,なぜラムネにはビー玉が入っているのか,コーラやサイダーに入っていないのはなぜか,など詮索された.なかみがサイダーで,ビー玉で栓がしてあるのがラムネのような気もする(少し味が違うか?).なかみがコーラで,ビー玉で栓がしてあったら黒ラムネだろう.

今回のラムネはプラスチックのボトルで口の部分がねじ込み式になっていて,ビー玉を容易に取り出すことができた.昔ながらのガラス瓶なら,どうやってビー玉を入れるのかと,また問題になるところだった.

今年は参加者として楽しむのみだったが,運営側になると大変なのだろうなぁ,と,夕食時にプレミアムモルツ黒を飲みながら,思った.


2012年10月20日土曜日

踏み踏み

外に長時間いられる気候になり,庭に出てみる.雨が降ると水がたまるところがあり,そうでないところから土を移動してくる,という作業をしてみたが,目分量でやっているのでぜんぜん収束しない.水平を出すには,もちろん水準器を使うほか,工夫はいろいろとあるのだが(ホースに水を入れる水盛りなど),目分量で行く.土をぶちまけて,その上を踏み踏みしているといい運動にはなる.

昼食を挟んで,こんどはホームセンタへ.軒下に敷く砂利の他,家族はイチゴの苗など買っている.私もセージを買ってきた.帰宅後,家族にプランタに植えてもらう.私は軒下に砂利を撒き,動かないように,また踏み踏みしていた.うっすらと汗をかく.

合間に書類をいじったりノートに何事か書き付けたりする.

2012年10月19日金曜日

はかない日差し

青空に薄く雲がたなびき,少し冷たいが心地よい風,そして秋のはかない日差しの一日だった.

今週は,フィールズ研究所のフィールズ賞受賞者らによる講演を,インターネット越しの中継で観ている.時差のせいで,日本時間の22時半頃から始まり深夜に及ぶため,日中眠い.困ったものだ.夕べはE. Frenkelさんの幾何的Langlands予想の話を聴き(Sem. Broubakiの報告に近い内容),その後N. Hitchinさんの講演は初めのほうを少しだけ眺めて,就寝した.その後に,E. Wittenさんの講演があったのだが…….

昼食を挟んで,午後から一件会議.終わるともう夕方であった.生協で,西田和明,「たのしい電子回路 (ブルーバックス)」を見つけて購入.


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2012年10月17日水曜日

鰯雲・面談

朝方は青空に鱗雲,そして風が強く吹いていた.しだいに雲が増えて,風雲急を告げる感じになる.気温が上がっていく.のんびりと出勤.

午前中は何件か来客対応があり,間もなくお昼に.午後は,助言教員になっている学生十数名との面談が予定されていた.時間になるや1名現れるが,その後しばらく閑古鳥.しかも雨が降り出す.どのくらい集まるかなぁ,と心配になるが,結局ほとんどが来てくれた.

実際に何をするのかというと,単位の修得状況を確認し,あとは進路の展望をきいたり,なにか相談事がないか尋ねたりしつつ漫談をするのである.

夕方になって間が空いたので,すこしだけ計算をしたりして,ざぁざぁぶりの中を帰宅.

昨日触れた,Donald Fagen, Sunken Condosから.

 

2012年10月16日火曜日

沈んだコンドミニアム

火曜日なので1限から講義.線形代数は,ベクトル空間の公理的な導入からで,実は受講生は前期に同様な講義を聴いているはずなのだが,どうしてもゆっくりゆっくり進めてしまう(伝わっているのか観察しながら話すので).計画していた8割ぐらいの進捗だった.

引き続き2限目は代数学.こちらは環の導入で,こちらもゆっくりと.しかしそのように予定していたので,それでよいのだった.

午後はB4ゼミ.欠席者が1名あり,なかなか全員が揃わない.整数環の剰余環の乗法群の構造など.

朝から活動したし,万年筆のインクも枯れてしまうしで,いつもより30分ほど早く引き上げる.いつも豆を買っているコーヒー屋さんで一服して,帰宅.

帰宅したら,Donald Fagenの新作Sunken Condosが届いていた.例によって例のごとく,危なげないのだが,ぐっとはこないかなぁ……という印象だった.Morph the CatKAMAKIRIADももっている忠実な聞き手だが,Nightflyのような感動はなかなか…….

 
Nightfly
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2012年10月15日月曜日

超音速バンジー

日曜日に,職場の計画停電があり,ネットワーク機器類の電源を落としていた.朝はその復旧作業.すこし遅くなってしまった.多くの人にとって,オフラインになっている方が幸せなのではないか,と思わないでもないが,あえて言わない.

昼食,昼休みに世の中の動きを瞥見.超音速スカイダイビングは面白い.報道の映像を観ていたら,子供の頃のテレビ番組,「素晴らしい世界旅行」,「驚異の世界」のオープニングを思い出した.気球で飛び上がっていくシーンと,櫓からバンジージャンプするシーンがそれぞれにある.思い出すのも何十年ぶりではないかと思うが,人間の連想や記憶というのは不思議である.

午後はM1ゼミ,と思ったら,急用で出鼻をくじかれ,途中でも呼び出されてM1氏には気の毒であった.16時30分までゼミをして,引き続き某会議へ.

2012年10月14日日曜日

秋の声

家人の発案で,山手の方へドライブ.

立山町の「むか井」で昼食を取り,立山山麓のスキー場へ.オフシーズンもゴンドラが運航されている.子供が乗りたがって,「ゴンドラのりたい~,ゴンドラ,ゴンドラ,ゴンドラ,ドンゴラ,ドンガラ?」とか言ってげらげら笑っている.HPCの偉い人だろそれは!というのは通じない.

アスレチックの施設をはしごして遊ぶ.子供もはしゃいで駆け回っているのだった.もう少し紅葉しているかと思ったが,1週早かったようだ.ケーブルカーで美女平に上がればよかったかもしれない.


2012年10月11日木曜日

木曜日はセミナ

金沢での定例のセミナ,後期の初回だった.代数体の類数の可除性の問題で,非常に興味深く拝聴した.問題を述べるのは簡単だけど,それに解答するのは大変難しく工夫がいる,という,数論らしい問題である.

今回はこの問題にアプローチするのに,楕円曲線(の族)の有理点の群構造を使う,というお話だが,ここ30年くらいの様々なアプローチの概説もあり,とてもわかりやすかった.

このセミナは,出席者が5名前後なこともよくある,小規模なもの.しかし今日は十数名の参加者があり,半数近くが大学院生など若い人たちだった.セミナに若い人がいると嬉しくなるのは,おっさんになった証拠だろうか.

2012年10月9日火曜日

月曜日

火曜日だが,時間割上は月曜日.朝からの講義がないので,連休明けとは言え少し気が楽である.しかし子供は,行きたくない~と,ごねていた.浮き世の義理というものがあるのだから,四の五の言わずに行きなさいと.

来客対応などがあり,昼食を済ませて,M1のゼミ.中島先生の「代数方程式とガロア理論 (共立叢書 現代数学の潮流)」が,本当は夏休みに入る前に終わっているはずだったが,終盤を読んで貰う.

夜になって,今日はノーベル物理学賞の受賞者が発表される.自然科学がこんなに報道される時期は他にはなかなかないので,いっそ毎月ぐらいの頻度にしたらどうだろうか.

2012年10月8日月曜日

バリカン

昨日の続きで,ブレッドボードに部品を抜いたり差したりして遊ぶ.だんだん山勘で回路をくむようになって,そのうち痛い目にあうかもしれない.たかだか単三電池数本だが…….

配線材の被覆をとるのに,ワイヤストリッパを導入した.「HOZAN ワイヤーストリッパー 細線用」,P-967である.今まではニッパやカッタでするのが当然と思っていたが,やはり道具を使うと簡単.感心した.

思い立って,ふたたび自ら散髪.バリカンに3ミリのアタッチメントをつけ,丸刈りに.やっている途中に,時代物のカンフー映画に出てくる弁髪っぽくなったりして,一人哄笑していた.家人にムラを指摘して貰ったり,手伝って貰ったりして,20分ほどで終了.

夕方になって,山中先生のノーベル賞受賞の報が飛び込んでくる.めでたい.

2012年10月7日日曜日

雨天中止・LEDキャンドル

もう一つ,今度は住民運動会というものがあるはずだったのだが,天候が今ひとつぱっとせず,明らかに中止と言うほどではないが小雨がぱらつくのである.

私の出番は午後からだったので,昼食までは自宅で待機していたが,案の定午後の部は中止との連絡があった.昨日の運動会(の綱引き)でしっかり筋肉痛になっていたので,助かった.

先日子供が作ったランプシェードには,ワンダーキットの「LEDキャンドルキット」を組み立てて光源に仕立てた.キットにはLEDの光を拡散させるディフューザーがついているが,やはりあんまりキャンドルには見えない.しかし,和紙を重ね張りしたシェードに入れると,案外趣のあるものになった.(類似の作例が「武蔵野電波のブレッドボーダーズ」にもある).

ちょっと思いついて,ほぼ同じものをブレッドボードで実装してみる.(CdSセルを使って,明るくなると消灯,暗くなると点灯するようにした.フォトトランジスタを使ったキットがあるらしい.「武蔵野電波のプロトタイパーズ」参照.):


ごちゃごちゃして見えるのは,部品の足を切りそろえていないからである.その他の写真はこちらに

2012年10月6日土曜日

運動会

子供の運動会で,朝から出かける.

子供たちが跳んだりはねたり踊ったりするのを見るのはそれなりに楽しいが,それ以上に,周りを見回していると興味深い.スマートフォンやタブレット端末,デジタル一眼,デジタルビデオ,などなど,本当に普及しているのだなぁと感心した.

敷物の上では,兄弟が携帯型のゲーム機をのぞき込んでいる.むずかる赤ん坊をあやすのに,親がタブレット端末をかざしてみせるのだから,時代が変わってきているのだなぁと思う.

父兄参加の出し物で,定番の綱引きに出場した.先日のサイエンスフェスティバルで,母音を叫びながらだと力が出る!という小ネタを覚えてきたので,試してみる.と,かけ声にあわせて力を込める,という良い副作用もあった.ようなきがした.とにかく,私がいたチームが優勝.

綱引きの悪い副作用で,前腕部がだるい……というか,筋肉痛になりそうだ.

2012年10月4日木曜日

rm -rf / tmp/* をやってみた

Unix互換OSが通常運用に供されているとき, # sudo rm -rf / tmp/* したらどうなるのか?という疑問があって,これはそもそも # sudo rm -rf /tmp/* の間違いなのだが,おおむね大災害がもたらされる,であろうと予測する.

で,やってみたのが以下の動画である(全画面でご覧頂くのが良いと思う).


これは私が普段使っている環境なのだが,VMWare Workstation上の仮想マシンであり,普段使っている仮想マシンのコピーを取って,実験してみたのである.画面のキャプチャも,簡単にできる.初めの1分ほどをカットし,また吹き出しを入れるなどの編集は,Youtubeの上で行った.

2012年10月3日水曜日

待ち人来たらず

昨日の(火曜日の)講義で,それぞれクイズを幾つか出して,A4用紙に解答して貰った.講義の際にはほぼ毎回やってもらい,理解度を測るとともに出席状況も調べる.ただし,出席は成績に加味しない旨は明言してある.(出席で分かるのは,決まった時間に決まった場所に現れることができる,という事で,これは数学の講義の成績に反映させる能力ではないように思う.)

昼休み,保険の外交の人が飛び込み営業に来室.しかしチラシを渡されるタイミングで,結構です,と宣言しお引き取り頂いた.そして10分ほどしてから,再び同じ人が来室.再びチラシを渡そうとするので,「先ほどもお見えでしたよ?」というと,本当に驚いたように,あれ!そうでしたね!!という感じで退散していった.

2度目も,あまりにも自然に振る舞うので,私が間違えているのかと思った.

というようなことをTwitterでつぶやいていたら,毎回「先ほどもお見えでしたよ?」と言えば良いと入れ知恵を頂く.私以外の人は皆賢い.

水曜午後はオフィスアワーにしてあるので,クイズの解答を確認しながら,待つともなしに待つ.ついでに,普段使っているデスクトップのOSを更新してみる.Ubuntuなのだが,12.04.1になった.12.10が間もなくでるそうだが…….

気候が良いので,ふらふらと散歩に行きたいが,我慢.

しかし結局誰も現れないまま,夕方になるのだった.

2012年10月2日火曜日

後期開始

今日からいよいよ後期開始で,しかも担当講義を火曜日の1,2限に詰め込んでいるので最初からフル稼働だった.

初回は,履修上の注意などをプロジェクタに映しながら(例によってPreziを使った)説明することにしている.なぜか皆さんシラバスを見てくれないので(本当に,なんでなんだろう),実際にはそれを読み合わせているのに近い.

今期は,1年生向けの線形代数,そして3年生向けの代数学である.

午後は,4年生のゼミ.前期から引き続きだが,間延びしないように適宜てこ入れを検討している.

2012年10月1日月曜日

小一時間歩く

10月に入った.今日は創立記念日で全学的に休講,附属図書館まで閉まっている.

火曜日の午前中2コマに,後期に担当する講義を詰め込んだので,備えるべく居室でうごうごしていた.しかし煮詰まってきたので散策へ.台風一過とは行かないが,高曇りで散歩のできる気温だった.うっかりサンダル履きででてしまったが,小一時間歩く.

小一時間,車の音を聞かずに歩ければ幸せなのだが,この世の中はそんな風にはできていないのだった.

2012年9月28日金曜日

週明けから後期

ここしばらく,秋空が続き心地よい.当地では,春と秋に1週間くらいずつ,こういう快適な気候があって,あとは,暑すぎるか寒すぎる.

それぞれ1週間しかないのか,と考えるか,1週間もあるのか,と考えるかで云々,と考えることもなく,快適だなぁ,という観照のもとで過ごす.

週明けから後期が始まるので,つまりようやく夏休みが終わるので,なんとなくそちらも気にしつつ,またこの週末は,サイエンスフェスティバルが催されるので,その準備に賑わう学内を気にしつつ,文献読み.今日中に終わらないかな,と思っていたが,少し積み残した.

おせち料理の予約を勧誘するメールが来たりして,なるほど,と思う.生死事大無常迅速.

2012年9月27日木曜日

Sony PRS-T2

午後,来客対応などがありつつ,終日プログラムを書いたり,それをブラッシュアップするために数学を仕込んだり,また別の文献を読んだりと平和に過ごした.高く晴れた青空が心地よい.

帰宅すると,Sony PRS-T2が届いていた.Sonyの電子書籍端末である.端末そのもののレビューは,ITメディアの「ソニーの「Reader PRS-T2」をいち早く使ってみた」などにある.

箱を開けてみて,今まで触ってきた製品と比べて,作り込んであるなぁ,と言う印象.下の写真にあるように,電子書籍端末としてはKindle (キーボード,3G付き6インチ),Kindle DX(キーボード,3G付),楽天Koboを購入して,またタブレット端末としてはLenovoのIdeaPad A1が手元にある.どれも,梱包がこんなに作り込んではなかったような気がした.楽天Koboは一見綺麗に梱包してあるのだが,本体を取り出すのに定規か何かが必要だった(きつすぎて).

本体の他に,タッチペン,USBケーブル,保護ポーチなどが添付されている.また,クイックスタートガイドなどは紙に印刷されて添付してある.

最初にUSBケーブルで,PRS-T2とパソコンと接続する.USBメモリとして認識されて,必要なソフトウェアをそこから導入する.その後,時計あわせ,ユーザ登録,製品登録などを行うと一応使えるようになる.更に,WiFiの設定(WPSが使えるが,私はWPSのPINで登録した.AOSSは未対応).

更に,Evernoteとの連携もあり,ノートブックを選んで同期することができる.Facebookへの連携も可能なようだが,設定しようとすると画面が90°横倒しになり,「読み込み中」のまま黙り込んでしまうので,それ以上追求していない.

何冊か,お試しの電子書籍が入っている.岩明均の「ヒストリエ」第1巻や,和田竜「のぼうの城」(上)の一部など.

反応は非常にクイックで,いつも使っているKindle DXと比べないようにしたい.上々の印象で使い始めた.


一番手前がPRS-T2. 左が楽天Kobo, その下がIdeaPad A1, 奥にKindleたち.


日付の設定中.押していると数字がぱらぱらと変わり,
Eインクでもこんなに早い書き換えが可能かと感心した.



2012年9月25日火曜日

目論見

Googleが電子書籍の販売,映画のオンラインレンタル,そして端末販売(Nexus 7)を,実にさりげなく開始していて驚いた朝だった.あまりにもさりげないので,さりげなく端末を買いそうになったが,ちゃんと思いとどまった私は偉い,のではなく,楽天Koboに愛想を尽かしたときに,SonyのReaderをぽちったからだが.

それにしても,かなりこなれた価格での発売で,商売上手に感心した.今使っている「Lenovo IdeaPad Tablet A1 シリーズ 7.0型ワイドHD液晶 16GB パールホワイト 2228-3DJ」の後継機として,かなり魅力的だ.

電子書籍については,品揃えと言えるような品揃えではなく,とにかく始めました,と言う印象.Google Booksと連携してくれれば良いが.書籍の販売だけではなく,例えば書籍の一部のレンタル,などという売り方をしてはくれまいか.

秋の高い青空の下,のこのこと出勤し,昨日の続きでプログラムを書いてみたが,目論見が外れているような気が,だんだんしてくる.やってみないと分からないこともあるのだが…….

昼食を挟んで,午後は近所をさすらいながら文献読み.こちらは案外進んだので良かった.

2012年9月24日月曜日

新学期訓練

朝一から会議があり,11時過ぎまで議論.終わってから,附属図書館で不要図書の放出をやっているのを思い出し,主に雑誌・ムックの類を大量に引き受けてきた.古いもので10年,新しくても3~4年はたっているが,内容もそれほど古びていないと思う.

午後も一件来客対応があり,昼食を挟んでその支度をする.後はプログラムを書いていた.あまり思ったようには進まず.

十月に入ると後期が始まる.朝一から出動するなど,その訓練のような月曜日だった.

2012年9月21日金曜日

Kobo落ち穂拾い

昨日の,楽天KoboにWikipediaの記事がDRM付きで収録された件は,当該電子ブックが取り下げられる,という形で収拾されたらしい.「koboのストアからWikipedia作品消える 「ISBN」は「商品番号」に」(ITメディア eBook USER).迷走もはなはだしい.

連想するのは,家庭内LAN用のルータが普及しだした頃,内部のソフトウェアに,GPLのソースコードが含まれていて,しかしベンダー側がそのことに十分注意を払わなかったために,いわゆる「炎上」,という事件である.もう大分昔のことになるが…….

手元のKoboについては,とりあえずPDFや,フリーで手に入る文書類の閲覧に使うことにする.

今日は一つアルゴリズムをでっち上げたが,既存のものよりも大変遅い……すくなくとも素朴な実装では大変遅い……ことが分かった.キャッシュをうまく使うなど工夫の余地はあるとおもうが,どうかな,という印象.

2012年9月20日木曜日

Koboよさらば

楽天Koboを予約して手に入れたのが7月20日(金)頃で,そのときの記事もある.2月ほど使って,その間に3冊ほど電子ブックを買って読んだ.しかし,使うのをやめようと考えている.

8,000円を切る廉価な電子ブックリーダーとして華々しく登場したが,電子ブックというのは,読む端末だけではなく,本を探し,あるいは何となく書棚を眺めるという楽しみも再現しなくてはならない,つまり,端末はごくごく一部の要素で,サービス全体がよくこなれていなければまったく満足できない,ということがよく分かった.

現在の楽天Koboのブックストアは,サービスイン当初から言われていたように,そして未だに,検索が使い物にならず,ジャンル分けも謎で,品揃えも悪い.そもそも,オンライン書店の楽天Booksと,Koboとが分離されているのもおかしな話である.

国内市場に参入すると言われ続けて数年が経過したamazonでは,amazon.comでの書籍売り場とKindleストアが一体化されていて,紙の本のハードカバー・ペーパーバックそしてKindle版と選べるようになっている.

Koboの品揃えを改善しようとしているのか,楽天は和書をいつまでに何万冊揃えると数値目標を掲げた.ギターのタブ譜を大量に揃えたりしているらしい.Wikipediaの作家に関する項目を,一作家に付き一冊の電子ブックとして無料で提供したりもし始めた.

このWikipediaの項目を電子ブックとして提供する際に,DRM(コピー制限)を行ったことは,Wikipediaの使用許諾に反するのでは?と気がついた人たちが居た.

Wikipediaの項目は,それぞれ,GNU Free Document Licence (GFDL)もしくは,Creative Commons のうち,CC-BY-SAのいずれかのライセンスで提供される.例えば後者では

「あなたは、本作品の頒布または公共での発表にあたって、このライセンスによって付与される利用許諾受領者の権利の行使を変更または制限するような技術的保護手段を用いることはできません。」(4.制限,(a))
と規定されている. つまり,Wikipediaの記事を転載するに当たって,それにDRMを課すことは,CC-BY-SAというライセンスに反する.

この一件で,楽天Koboの使用をやめる決意をした.

丁度明日,SonyのPRS-T2が発売になるので乗り換えてみる.既に実機のレビューが公開されている.楽天Koboと,端末は非常によく似たスペックだが,始めに書いたように,電子ブック・電子書籍というのは,サービスの全体である.Sonyの電子ブック事業は,あまり派手ではなかったが長く続いている.ジャンル分けも,ざっと見る限りKoboよりまともである.

端末が届くのは月末になるようだが,楽しみだ.

2012年9月19日水曜日

正気

朝晩と涼しくなってきて快適.ノートの消費量で測ると,8月は(特にお盆前後から彼岸にかけては)低調だった……例年のことなのだが.そろそろ正気に戻りたいところ.

職場の自室と,学内のパブリックスペースを転々としながら文献読み.当たり前みたいなことで,へぇ,と思ったこと: $m$が平方因子のない自然数,$n$ は $m>n>0$ なる自然数とすると,$m$ の素因数 $p$ で,$n$ を割り切らないものがある.

2012年9月18日火曜日

abcで賑やかに

一般紙で $abc$ 予想の解決が報じられたせいか,その周辺の話題で賑やかになってきた.主張は簡単だけど,なんでそんなに騒ぎになるのか,というのはもっともな感想と思う.

Fermat予想やMordell予想のような(既に解決されている)大きな問題が従うとか,不定方程式の解の有限性が従うとか,いろいろとインパクトがあるようだが,まだ余波がどこまで届くのか,私は測りかねている.





2012年9月17日月曜日

書棚

「本と出版の未来」を考えるためのメディア,を標榜する「マガジン航」の記事,「持ち主を亡くした本はどこへ行くのか」を読んで触発されたのかどうか,久々に書棚を整理する.もう少し涼しくなってからと思っていたが(猛暑日だった).

机に向かったところから手の届く棚にある本を少し入れ替えた.床に積み上がった本も,それぞれ書棚に居場所を作る.ホコリを払って,床を磨く.

汗をぬぐいながら,書棚の本を概算する.棚あたりの冊数と棚の数から,1,000~2,000という荒い評価.冒頭の記事のよると,玄関に本が積んであるなら,蔵書数が多いと見て間違いない,らしい.自室に収まっているのだから,かわいらしいものだ,と思った.

2012年9月16日日曜日

~は短し

敬老の日と言うことで,拡大家族で昼食なのだが,いざ出かけるとなると既に昼時であり,朝話していた計画(と言うほどの計画でもなく,方針・目安のようなもの)が大幅に変更され,単に近所の蕎麦屋へ行くだけのこととなった.

そして昼時に出かけるのであるから,また待たされるのであろうと推測.案の定で,その間Koboで小説を読む.森見 登美彦 ,「夜は短し歩けよ乙女-【電子ブック版】」.若人向けだなぁ……と :) 京大近辺の地理が分かるとぐっと楽しめます.

昼食を済ませて,近所のお店を見て回り,帰宅.まだまだ暑い…….

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2012年9月14日金曜日

冊子よさらば

朝一で私用があったほかは,静かな一日だった.しかしまだ残暑が厳しく,長時間屋外に居ようという感じではない.

粛々と調べ物・書き物.昨日になって,Mathematical Reviews(アメリカ数学会が刊行している,論文抄録誌)の紙の冊子が,今年いっぱいで廃刊,という話に気がついた.赤い表紙の電話帳のような大判の冊子で,かさばるし重いしで,オンライン版に一本化されるのだろう.

以前は,オンライン版は購読している機関内のネットワークからしか閲覧できなかった.購読申請の際に,IPアドレスを登録するのだった.少し前から,購読している機関のネットワーク内から,一度特定の頁を閲覧すると,90日間,機関のネットワーク外からでもアクセスできるような仕組み,AMS Mobile accessが導入された.

学生の頃,Math Reviewsのデータを収録したCD-ROMが購入できるようになった.SilverPlatterという会社が売っていたのだと記憶する.所属していた大学でも買ってくれていた.専用の端末に座り,CDを検索し,結果をテキストファイルとしてフロッピーに(!)保存しては悦に入っていた.

保存したデータの書式がまた不揃いだったのだが,それをLaTeXで処理できるようにPerlで整形していたのも懐かしい思い出である.

そんなことしているより,その論文を読めば?というのは,当時も言われたような気がするが,今なら自分でもそう言いたい.

2012年9月12日水曜日

N. F. Cole and E. T. Bell

昨日の投稿の落ち穂拾い.

N. F. Coleが $M_{67}$ を素因数分解した結果を発表した際の劇的な講演,元ネタはどうもE. T. Bellらしい.ベルは,「数学をつくった人びと〈1〉 (ハヤカワ文庫NF―数理を愉しむシリーズ)」などの数学読み物や,組合せ論で出てくるベル数に名を残す数学者である.

私は現物を見ていないのだが,コールの講演の様子は,E. T. Bell, Mathematics: Queen and Servant of Science (Spectrum)の11.2節にあるようだ.邦訳は「数学は科学の女王にして奴隷 1 《数理を愉しむ》シリーズ (ハヤカワ文庫 NF) 」.Leo Corry, Hunting prime numbers---from Human to Electronic Computers, という記事の冒頭部分に引用がある.

ベルの書いたものは,読み物としては面白いのだが,史実として正確かというと必ずしもそうとは言えなかったりする.コールの論文(昨日リンクしたもの)やリュカの結果などとあわせて考えると,コールの劇的な講演の様子は,例によって,ベル一流の,面白い逸話,ととらえるべきと思う.Corryも,「日曜日を3年分」という台詞は,数学の都市伝説(mathematical urban legend),としている.ちなみに,ベルの指導教官はコールだった.Math Geneology projectで確認できる

なお,コールの逸話とベルとの関係は,知人にtwitterで示唆して頂いたものである.御礼申し上げます.