2009年1月29日木曜日

数値解析学:ODEの数値解法の実装

水曜日の数値解析学、今回はEuler法やRunge-Kutta法のC言語での実装を目標に、パソコンの並んだ部屋で実施。

単に数値を並べるだけではつまらないので、gnuplotでグラフを表示し、それをEPSに保存してLaTeXの文書に貼り付けるというところまでやってもらうことにした。

すらすらと出来てしまう人も居るし、要所要所で手助けすれば出来る人も居るし、難しいと思う人もいるし、いろいろである。短時間で完遂しなくてもいいので、とにかくゴールに達すればよい。

コンピュータで計算し、グラフで可視化し、文書を作成するというスキルを身につけて欲しいと思う。プレゼンを貼り付けておく↓(Google Docs)

2009年1月28日水曜日

ゼミ終了

4年生のゼミは今週で最終回。代数体の整数環や整数底、判別式など導入した時点で終了であった。半端な印象が残るが、参加者の状況でやむを得ない。

概念を積み上げることで数学的な対象を構築するという事に、大きな困難を覚える人が居るということを思い出させられた、と総括したい。そのほか思うことが多々あるが、ここで喧伝することでもないだろう。

既に、次年度のゼミの募集が始まっている。次のゼミの運営に生かしたいと思う。

2009年1月24日土曜日

人間ドック

年に一度は受診するよう心がけている人間ドック、今年度は夏休みに時間がとれず、今頃(1/23)に受診した。前回とは病院が違い、そもそもどうやってそこまで行くのかを考える。私鉄の駅から歩いて10分前後と見込んだが、指定された時間に丁度良い電車を逃してしまった。結局バスとタクシーを併用して到着。

シリンジに4本も血を抜かれたり、様々型どおりの検査を受けたりして、本題のバリウム検査。私は今回が初めてなのである。なんでも初めてというのはあるが、技師さんはそんなことに頓着しない。発泡剤と水の入ったお猪口のようなものを私に手渡し、どうぞという。どうすればいいのか分からない。粉薬を飲む際は、水を含み、その上に薬を浮かべるようにしてから同時に飲み下すのが私の流儀である。戸惑っていると、発泡剤を口に入れ、水で流し込めという。言われたとおりにして、目を白黒させる私。更にバリウムを二口飲めというのに従う。飲み残しの量を見て、もう一口飲めという。苦しい。

後は、ご存知の方はご存知の、ぐるぐる動く板の上での床運動である。済んだ後で洗面台に案内され、自分の顔を見ると、口の周りに白い後が多々残り大変見苦しいのであった。

昼食をあてがわれて渇を癒し、しばらくして医師による結果の説明。特に異常はなく、最後に「人間ドックを受診しようとした理由は?」のような質問までされた。自覚のある異常がないから来たので、あるなら外来へ行くだろう。と思ったが、「年に一度は受診するよう心がけている」旨申し述べたのである。

2009年1月22日木曜日

水曜日の授業:数値解析学

数値積分を終わり、今度は常微分方程式。Euler法、Heun法(ホイン)、Runge-Kutta法をさらさらと解説。局所誤差については話しそびれて、次回へ持ち越し。次回は、実装をやろうと思う。

常微分方程式の数値解法では定番のRunge-Kutta法、最初の人は、Carl David Tolmé Rungeというドイツの数学者で、ワイエルシュトラウスの弟子だったという(1856--1927, リンクはwikipedia.org). Lagrangeの補間多項式(に限らず、等間隔のサンプル点での多項式補間)が、端のほうで行儀悪く振舞うというRungeの現象も、この人を指す。

2009年1月15日木曜日

Hardy Wright 6th edition

普通Hardy-Wrightとして言及される「An Introduction to the Theory of Numbers」の第6版を購入.折からの雪の中を,注文の翌日に届けるAmazon.co.jpとペリカンは偉い.

Hardyは勿論,Wright(リンクはWikipedia)も数年前に逝去している.新たな編集者として,J. Silvermanと,R. Heath-Brownがこの版を起こした.序文はA. Wilesで,学生時代に本書とDavenportのHigher Arithmeticに心酔した旨が述べられている.

本の構成で一番大きな変化は,25章「楕円曲線」が加わっていることである.どちらかというと鄙びた印象のこれまでの版に,突如モダンな部分が現れて,あるいは賛否があるかもしれない.それ以外にも,章末のNoteには相当数の更新が行われている.2次体の章の末尾に,Cohen-Lenstra予想への言及があるのを見つけた.

私自身は全体を通読していないが,拾い読みをしていても楽しい.標準的な数論のテキストとは違う,バラエティ豊かな本である.そういえば,はじめの幾つかの章を洋書購読の授業で読んだこともあった.

本書第5版に基づいた邦訳「数論入門〈1〉 (シュプリンガー数学クラシックス)」,「数論入門〈2〉 (シュプリンガー数学クラシックス)」があり,人気が高いようである.6版の邦訳はでるだろうか.

冗談半分で予言を書いておこう.第7版で26章「保型形式」が加わり,第8版で27章「Galois表現」が加わり,第9版で28章「Langlands予想」が加わり……そのころには予想ではないかもしれないが.







2009年1月10日土曜日

年明け最初の授業:数値解析学

年末に例年研究集会が開催され、一昨年に続いて昨年も自分の講演があったためきりきり舞いを舞っていた.そちらは別に書くとして、皆様明けましておめでとうございます.

年明け早々の授業は、火曜日の洋書購読と、水曜日の数値解析学.洋書購読のほうは淡々と進む.ようやくquantifierなどが出てきて、所謂一階の述語論理だろう.アメリカの教科書らしく、簡単なことでも冗長を厭わず一通りかいてある.演習問題も沢山出ていて,ゼミ形式で全部やると些か過剰かもしれない.

数値解析学は数値積分の章に入る.台形則など.テキストは相変わらず「理工系の基礎数学 (8) 数値計算」.参考文献として(むしろアンチョコとして)「ニューメリカルレシピ・イン・シー 日本語版―C言語による数値計算のレシピ」も使用中.

教科書では,話題が絞ってあり,またすべての導出の過程を述べずに結果だけの事も多い.お陰でテキストが読みやすくなる利点はあるのだが,詳細を知りたいときには,どの参考文献の何処を見れば良いのかが書いてあるともっと良かった.大抵,ニューメリカルレシピに出ているのだが.