2012年11月30日金曜日

冒険

小雨の降る曇天をついて出勤.相変わらず静かだが,今日は同僚の訪問を受けたり,月曜からの出張の手配をしたりと,うろうろする.アームチェア何とかとはいかない(そもそも椅子にアームがない).

探偵と言えば,グラナダテレビ制作の,ジェレミー・ブレット版シャーロック・ホームズの冒険がBluーrayのセットで発売されるらしい.


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これはえらいことだなぁ.NHKで放送された,露口茂・長門裕之の吹き替えらしい.クリスマスのプレゼント(トゥーミー)に……と思ったが,それは既にKindle Fire HDがくるので,大変悩ましい.ドラマはグラナダ版,翻訳は延原訳,聖地の住所は221乙,という,割とよくあるファンである.

と,悩んでいたら,購入した切符を居室に忘れてきたようだ.とほほ.

2012年11月29日木曜日

静かな

出勤してみると,居室の暖房が入らない.そんな連絡があったような気がして,確認すると,その通りだった.

小雨が降っていたが,気温はそれほど下がっていなかったので,補助的な暖房器具と,膝掛けでしのぐ.早めに引き上げるつもりで,しかし結局いつもより遅くなってしまった.昨日の今日で同僚もあまり来ていないようだし,普段よりも静かな一日.

2012年11月28日水曜日

推薦

推薦入試業務の為,快晴の青空の下を,小学生よりも早い時間に出勤.寒い.

持ち場がまた廊下のひときわ寒いところで,石油ストーブはあるが,それに面している膝や太ももだけがじりじりと熱くなり,他は月の裏側のように,冷蔵庫の片隅にに忘れらたキュウリのように(クリシェ),しんしんと冷えている.比較的短時間ですんだのが救い.

後は控えに回れば良かったので,いつものように昼食を挟んで,午後は作文をしたりプログラムをいじったり,音大の金管楽器専攻の推薦入試は喇叭推薦なのだろうかと考えたり.意図したように動かない,と相談を受けたプログラムが,なぜ意図したように動かないのか原因が分からず,削りに削って3行程度にしても動かない.

結局,ライブラリの初期化関数に与えるパラメタが小さすぎるのが原因だったのだが,そんなことに思い至るにはかなりな想像力が必要だと思った(実際にはデバッグ版のライブラリをコンパイルして,gdbで追い詰めた).開発陣に報告したところ,バグだったらしい.すぐに直ったようだ.

2012年11月27日火曜日

演習

朝起きると,胃腸にくる風邪は劇的に治っていた……りはせず,やはり今ひとつなのだった.しかめ面で出勤.

1限目の線形代数は,演習回.受講者が思い思いに,解いてきた解答を板書し,黒板が埋まったら順に解説をして貰い,ときどき私が合いの手を入れたりするという伝統的なスタイル.解答者が引きも切らず,黒板の陣取り合戦が繰り広げられる,という感じでもなかったが,かといって,「誰か解く人いませんか~」と私がむなしく叫び続ける,と言うほどでもなく,平穏のうちに終了.

演習のやりかたは幾つかあって,他に,あらかじめ受講者に問題を割り当てておくとか,はじめから小テスト形式でやるとか,どれもやったことがあるが,上のやりかたが使えるならそれが一番好みに合う.板書を待っている間に机の間を回り,質問に答えたり,質問を促したり,受講者同士で相談しているのを観察したりしている.

2限目の代数学は,イデアルの話.単項でないイデアルの例など話しているうちに些か脱線してしまった.

なんとか授業を終えると,心なしか体調も改善していて,昼食を挟んでB4ゼミ.代数的数の全体が体をなすとか,代数的整数の全体が環をなすとか.都合で,心持ち早めに終了.

明日も早いので(推薦入試なのだ),早めに引き上げるかな,と思っているところへ,質問を携えての来客有り.一緒に考えているうちに,いつもの時間になってしまった.

2012年11月26日月曜日

胃腸炎

さて昨日,私が山で芝刈りをして下山してみると,家では胃腸にくる風邪が猖獗を極めていた.家人も子供たちも,おのおのの仕方で弱まっている.

週が明けて今日はまず病院へ.胃腸にくる風邪ですね,ということで薬を貰い,それを見届けて出勤.昼食を挟んでM1ゼミ.少し早めに始めて,少し早めに終了.素判別式の2次体と素数分体などなど.

帰ろうと思ったら市電が来ない.何か事故なのだろうと,5分ほど待ったところでバスにスイッチし,いつも通りに帰宅.午後から私も胃腸の調子がおかしかったが,案の定で,夕食後から断末魔のうめき声をあげるのだった…….

2012年11月25日日曜日

初滑り

恒例の,11月初滑りで立山へ行く.地元に住んでいるのだから,わざわざ混雑する連休に行かなくてもいいようなものだが,今年は週末に晴れることが少なかった.

立山駅から美女平へのケーブルカーが,工事中で運転休止.立山駅からバスで室堂まで直通である.大混雑で,8時半に立山駅について,乗ったバスは9時半.(2~3時間待たされる,という時代もあったそうだが).

室堂出発が11時と遅くなったので,雄山は割愛して,一ノ越(正午着)で一服.あとは祓堂に荷物を置いて,滑っては登り返すのを何回か繰り返した.雪は十分あるが,吹きだまりができるほどでは無い.しかし快適に滑る.

15時半のバスで下山.電車を乗り継いで帰宅した.良い一日だった.


2012年11月23日金曜日

図書館の思い出

一日雨模様.

午後遅くなって,買い物その他の用足しに,一家で出かける.コーヒー豆を買い,図書館に行って子供らが本を借りるのを見守る.タッチパネル式の検索端末を操ったり,図書館員の方に所在を尋ねたりしている.荒天の祝日のせいか,図書館は混んでいた.

さらにスーパーに寄って買い出しだが,私は車中でうたた寝.帰宅後,図書館で借りてきたDVDを観ながら,おやつ.

自分が子供の頃も,よく市立図書館に行っていた.児童書の部屋と,一般向けの部屋とに別れていて,初めのうちは児童書部屋で脈絡なく借りていたが,やがて続き物を読むようになった.「赤毛のアン」シリーズ,「アルプスの少女ハイジ」シリーズの他,江戸川乱歩の二十面相もの,ルパンのリトールドものなど,どれも一通り読んだはずだ.が,ほとんど何も覚えていない.高学年になると,今度は一般向けの部屋に出入りしていたはずだが,何を読んだのだろうか…….

4年生か5年生の時に,井上ひさし,例えば「ブンとフン」や「ドン松五郎の生活」など,を何冊か読んだ(そういった本を薦めてくれた友人がいたのである).後者の挿絵を,小学校の図工の時間に描いた記憶がある.前者は小説の地の文の中に突如コーラスのような物が挿入され,舞台演劇のような印象があった.他に,星新一などのショートショートや,豊田有恒らのジュブナイルSFも濫読した.

中学生になって,ソフォクレスの「オイディプス王 (岩波文庫)」を読んで(ほとんど数学の証明と言って良いような,まったく無駄のない緊密な構成に)大いに感銘を受けたのだが,要所要所でコロス(合唱)が挿入されるのをみて,何とはなしに,「ブンとフン」を思い出したものである.

2012年11月22日木曜日

元気

いつになく暖かい日だ.机に向かって地味な仕事をしつつ,夕方から定例のセミナのため,金沢へ.

M2氏が修論の結果を講演された.彼がお手本にした論文の著者も来ておられたり,同期や後輩にあたる院生諸氏も来ておられたりと,いつになく賑やかで活気があった.若い人が元気に数学をしていると,実に元気づけられる.

懇親会の席上,自己紹介と言うことになって,昨年の今頃取り組んでいた問題が,外国の人に解決されてしまい現在無職です,のような事を口走ったのだが,ちょっとよろしくなかったと反省している.解決されたのは,ある意味で半分であり(しかし残っている半分の方はかなり難しい,のかもしれない),また別の見方も出来るのである.

バスに乗って帰宅.何列か後ろの客がしきりに咳をしていた.私はようやく風邪が一段落したところなので,気になった.

2012年11月21日水曜日

当たり日

久々に会議の当たり日で,12時過ぎから19時過ぎまで3つの会議をはしごした.しかも,座っていれば良いというのではなく,それぞれに発言というかプレゼンというか,が必要だった.

と言うわけで,ほとんどなすところなく一日が過ぎていくわけだが,そんな日もあるのだろう.

正17角形を,コンパスだけで作図する(定規は使わない),という論文(L. Gérard, Construction du polygone régulier de 17 côtés au moyen du seul compas, Math. Ann. 48, 1897)を教えて頂いた.会議続きで干からびた心に慈雨のようにしみる.コンパスの柄の部分を定規代わりにするとか,そういうとんちクイズではない.正17角形を作図すると言うよりは,円周を17等分する,といわねばならないだろう.

共立出版から,青木昇先生の「素数と2次体の整数論」がこの年末に出版されるようだ.楽しみ.

2012年11月20日火曜日

Eisenstein

少し早めに出られたので,それほど混んでない市電で出勤.座って,1つ用事を済ませることができた.

朝一の線形代数.小テストを採点してみて気がついたことをいくつか注意する.一次独立の定義を勘違いしている人が一定数いる.(この部分を担当すると,毎回そういう受講者が一定数いる).

引き続き代数学.多変数の多項式環の話をして,イデアルと剰余環の節に進む.

昼休みをはさんで,午後はB4ゼミ.Ireland-Rosenの本で,Eisensteinによる平方剰余記号の相互法則の証明(リンクはGDZで公開されている原論文)を辿る.SerreのA Course in Arithmetic (Graduate Texts in Mathematics)でも1章のAppendixとして収められているが,やや電報調.Ireland-RosenのA Classical Introduction to Modern Number Theory (Graduate Texts in Mathematics)はずっと読みやすい.これはお見事鮮やかとしか言いようがない.

170年近く過ぎて,遠く日本で,自分の証明が読まれるなど,Eisensteinは予想しただろうか.GaloisやAbelほど有名ではないようだが,Gaussが激賞した天才であり,そして30歳になる前に,結核で早世している(1823生まれ,1852没).1843年にダブリンでHamiltonに会い,Abelの仕事についての本を貰ったりしているそうだ.1847年にはベルリン大学で教えるようになり,その教室にはRiemannもいたという.

全集があり,それについてのWeilによる書評が公開されている.

2012年11月19日月曜日

眺望

夕方までは晴天で,特に昼過ぎまでは山が白く輝き大変美しかった.


写真は薬師岳(続きは末尾に).既にすこしもやがかかったようになっているが,もう少し早い時間には,北ノ俣岳まで見えた.

午後は例によってM1ゼミ.ガロア理論の復習が続く.スピーカ氏が所用があるとかで30分ほど早く切り上げる.

午前からいじっていた行列式の数値を計算機実験などしているうちに帰る時間になる.小雨がぱらついていた.

2012年11月18日日曜日

対比

午前中,とやま科学オリンピックの件で外出.若人が真剣に問題に向き合っている姿からは,何処かで聴いたことがあるような台詞だけど,「新しい希望」という印象を受ける.

終了後,家族と合流して昼食.30分ほど歩いて移動してきたせいか,チェーン店でも美味しく食べた.空腹は最上のソースだ.

午後は,週末からこちらに来ている親族とのんびりとすごす.子供たちは大喜びでまとわりついている.私は隙間の時間を見て,山内 マリコ ,「ここは退屈迎えに来て」を読んでいた.

作者は富山出身の方だそうで,書店にも「富山をイメージして書きました」というような自筆とおぼしきポップが出ていた.そこここで,具体的な場面が想像ができる.東京へ出て,そして地元に戻った女性たちの……ちょっと留保がつくのだが,ともかく……視点で,地方都市の空気を叙述した短編連作,個々の作品には緩いつながりがある.面白いか,といわれると,どうかなぁ,というところだけど,こういう感じ方を言葉にしてくれる人を喜ぶ人がいる,と言うことはよく分かった.


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2012年11月15日木曜日

音源の数

昨日の,円周をコンパスと定規だけで65537等分する話の続きは,当然レムニスケートを同様に分割する話かな,と思ったら,それは既に以前書いていた()ので割愛.

講義の下読みや小テストの採点,ゼミ生の質問に回答,その他すべきことをしている間に16時.談話会に出る.マイクで拾った音から,音源の数を推定するというお話だった.個人的な興味で,「音のアレイ信号処理 (音響テクノロジーシリーズ)」などを夏休み中,ぱらぱらと眺めていたのだが,そちらとはかなり定式化が違い,純粋に逆問題として定式化されているようだった.

少し空模様が落ち着いたところで,市電に乗って帰宅.車中で,音源の数と言っても,例えば,パン!と手をたたいたときに音源の数はいくつだと思うのだろうか.また,ギターをじゃら~ん,とならしたとき,それはギター1台の音なのか,5本の弦の音なのか,などらちもないことを考えていた.


2012年11月14日水曜日

正65537角形

夕べから,雨風雷の荒れた天気で,今朝も引き続きそんな調子だった.北陸の冬空.

朝食後も寒くてしょうがないので,体温を測ってみたら36℃丁度だった……冬眠か.しばらく暖を取った後,よろよろと出勤する.

午後は会議で缶詰.16時半頃に自由の身となった.

中島先生の「代数方程式とガロア理論 (共立叢書 現代数学の潮流)」によると,StewertのGalois理論のテキストには,正65537角形をコンパスと定規で作図した人はいない,と断言してあるらしい(私は未見).続けて,「いない」と断言するのは難しいのでは,という穏当な意見が述べられていて,私は,それはそうですけど,でもいないのでは,と思っていた.

例えば,$\theta = 2\pi/65537$ としたときに $\sin\theta = 0.000095872336200226819700455879105490150553140587845606970...$ であり,これが0.9cmちょっとになるようにするには,円の半径が100mでなければならない(あってますよね).なので,やはり事実上無理なのではないかと思っていた.さらに,誤差の累積など考えると,現実的ではない.

しかし,Coxの「ガロワ理論(下)」によると,19世紀末の数学者Johann Gustav Hermesは,コンパスと定規による円の65537等分の研究に10年を捧げ,その結果を出版している.実際に作図をしたのではなく,その手順を書き下したのではないかと思う(ちゃんとみてません.ドイツ語に堪能な方の解説求む).

NHKの「大科学実験」みたいな番組で試して貰ったら面白いだろうか.

2012年11月13日火曜日

どっちつかず

朝一の線形代数の直前に,


などとつぶやいたら少しく反響があった. 本によっては,ベクトル空間を公理的に導入したのは良いが,基底の定義には,有限生成の場合しか書いてなく,暗黙に,この場合のみしか扱わないということがある.(明示的に,その場合のみを扱うと宣言している本もある.例えば齋藤正彦先生の本).

有限生成の場合で十分では,という意見もあるとは思うが,例えば体の拡大の次数は,上の体を下の体上のベクトル空間と思ったときの次元で,そのときも有限生成の場合しか考えないのか,というとそうもいかないので,やはりどこかで,基礎体上有限生成でないベクトル空間の(代数的な)基底の話をしておかないといけないはずである.(例えば藤崎先生の「体とガロア理論 (岩波基礎数学選書)」には,I章に,無限生成の場合も込めて,ベクトル空間の基底の濃度が基底の取り方に依らないことの証明が載っている).

引き続き代数学.多項式環など.詳しくはテキストを読んで下さいね,という技を頻繁に繰り出している割に,思ったように進まない.

午後はB4ゼミ.平方剰余記号,Jacobi記号の性質など.平方ではない整数 $a$ に対して,素数 $p$ で,$a$ が法 $p$ で平方非剰余になるものが無数に存在する,という定理の証明が面白かった.

2012年11月12日月曜日

Q太郎

夕べバリカンが今ひとつの結果に終わったことについて,朝の光で家人が見たところ,直ちに修正すべき,という程の惨状であるらしかった.後ろ頭のことなので,自分ではよく分からない.

洗面台で再びバリカン.今度はアタッチメントを間違えず,思うようにできた.

などとしているうちに,慌てて朝一の会議に駆けつける.午前は缶詰.

午後はM1ゼミ.中島先生のガロア理論の本を卒業(したことに)して,数論らしき事を始めようとするが,まだガロア理論の復習である.複素数体の中に,有理数体の代数閉包を固定して,その部分体として話を進めるトップダウン方式なので,話は早くなるが抽象度は上がる.複素数体の自己同型で,恒等写像でも複素共役でもないものを挙げよと言われると困ってしまう.(連続である事を仮定するとこれらに尽きる).

有理数体の代数閉包の自己同型の典型例は,複素数体の自己同型を制限したものだが,上の事から,この方針では具体的な記述は不明である.一方,有限次代数体の自己同型を拡張する際にも,Zornの補題を経由するので具体的なことは分からない.

などと言いつつ,ゼミの間に思いついた"over $k$ の $\mathbf{Q}$ 太郎~" が気に入ってしまい,頭の中で繰り返されるのだった.

2012年11月11日日曜日

バリカン失敗

こどもの相手をして,プラレールの線路を並べたりする昼下がり.しかし近所に遊びに行ってしまい,私が畳の上でぽつねんと電車を走らせるのである.

週末から読み出した本を読み進めたりもする.割と面白い(数学の本です).そんなことしている場合かというのは,この際おいておく.

夕食前に,暗くなってから散歩に出る.用もないのにうろうろ歩いている人を見るて何だろうと以前は思っていたが,自分がそんなことをするようになって分かった.散歩なのだ.

風呂に入る前に,さっと頭を刈っておこうと,バリカンを持ち出して頭をなで回す.家人が来て,なんでこんな時間に,と驚くが,風呂に入る前にやるのは合理的だ.しかし,いつになくうまくいかない.刈り残しの毛があちこちにぽやぽやと残る.結局30分もそんなことをしていたのに満足行くようにはならず,しかも上半身裸だし,治りかけの風邪に塩を送るようなものであった.

風呂から上がってからよく見たら,バリカンにつけるアタッチメントを間違えていた…….すき刈り用のアタッチメントだった(本当は3ミリのそれをつけたかったのだ).それにしても,三面鏡に映ったバリカンを思うように動かすのは大変難しい.人生には学ぶべき事がまだまだたくさんあると実感する.

2012年11月9日金曜日

エリア

結局週の間は風邪をだましだまし過ごすことになった.発熱はないのが救いだ.

幾つかしなくてはならないこと,しておいたほうが良いことをしているうちに,午前午後と過ぎていく.

帰りにコーヒー豆を買いに,いつものお店に立ち寄る.「エチオピア イルガチェフェG-1・ナチュラル」というものが入ったと言うことで,試しに100グラム,あとはケニアを200グラム.帰宅して,夕食後にエチオピアを淹れてみたが,確かに独特の風味が強く残っていて,好みが分かれるかもしれない.私ももう何回か飲んでみないと,結論は出せないという印象だった.

ちょっとした思いつきがあって嬉しかったのだが,それは大事にノートに記録して,Sony Readerで「エリア随想録」(平井正穂訳)でも眺めつつ,休もう.

2012年11月8日木曜日

理想

風邪がお腹に来たらしく,自分の最寄りの手洗いを意識しながら出勤.

昨日までのドタバタのせいか,「大学が多すぎる」という謎の主張をひんぱんに目にする.東大だけあれば良いという人も,旧帝大だけあれば良いという人も,都道府県に1つずつあれば良いという人も,みなそう言うだろうから,実際には何も主張していないと思う.国立大学法人を国立大学法人機構みたいなもの一本化して,既存の国立大学法人を,各地にある学校,ということにしても,やはり「大学が多すぎる」問題への解決になるのだろうか.

大学で学ぶべき事は確かにあり,それを各人が見つけやすくするために,大学の数も種類も増やし,学部学科のみならず,大学の間を渡り歩くことも容易にすればよい.特に,学費をもっと安くすればよい.

それは余りにもおおざっぱで現実味のない理想論かもしれないが,大学の教員はまず,大学での教育についての理想を語るべきと思う.大学の教員がそれを語らないなら,誰がそれを語るだろうか.

夕方から,定例の金沢でのセミナのために移動.例によって,大いに元気を頂いた.

2012年11月7日水曜日

うまくはない

風邪がまだ喉鼻に居座るので,マスクで顔の半分を覆って出勤.午前中は時折,青空の見える空模様.書き物をしたりする.

しかし間もなく天候が急変.雷鳴がとどろき雨が強く降る荒れた天気になった.富山空港では到着便に落雷による損傷が見つかったりして,発着が乱れたらしい.

昼食前に葛根湯を飲む.調味料というか,インスタント食品のスープの素というか,とにかく薬のようには思われない.うまくはないが,慣れてきた.2包まとめて飲むと効く,と,ある筋から聞いたことがある.しかしその筋は辿ると,漢方も作る製薬会社に連なるので,ニュートラルな発言かどうか.

午後は会議.

終わって,院生の方が使うパソコンのセットアップ,特にネットワークに繋ぐ作業につきあう.特になんと言うこともなく,プリンタを使えるようにし,TeXのインストーラを走らせて,後は任せました,と引き上げてきた.

アメリカの大統領選もさることながら,先週末にひっくり返された大学の新設,どう収拾するのだろうと思っていたが,案の定,撤回.巻き込まれた皆様には,衷心からお見舞い申し上げたい.

2012年11月6日火曜日

嗄れた声

起きたら声が出ず,これは困ったことになった,とかすれ声で独りごちる.コーヒーを淹れて一口飲んだら少しましになったが,講義2コマがつとまるか?

雨の日の市電の人いきれに辟易しながら出勤.体調もいまひとつだが,すぐに1限目の線形代数へ.「声が出ません」と板書し,つぶやくような声で講義.

引き続き2限目の代数へ.やはり「声が出ません」と板書し,さらにかすれた声で講義.

葛根湯を飲んで,昼食を挟んでB4ゼミ.こちらは最近,少しおとなしくしていようと心がけているので,声が嗄れているのは好都合だったかもしれない.平方剰余記号が導入され,いわゆる第1,第2補充法則の証明.後者はGaussの補題にもとづく初等的な証明だった.

ゼミでの雑談の際に,文字の書き順が話題になった.「様」という字を書けと言われて,旁の部分を,上下に分けて書くという間違いをしていることを指摘された.と言うより,私は普段,「樣」の方を書くので,それにつられたのである(いいわけがましい).漢字は難しいです.

2012年11月5日月曜日

ぬるい夜風

土日につついていた件を,月曜の朝に放出して,一仕事終わった気分.

まだ少し喉・鼻に風邪が残るが,暖かい日なので,マフラーはせずに出勤.昼食を挟んで,午後は例によってM1ゼミ.中島「ガロア理論」を一応終わったことにする.

同書のそこここに,$x^4-10x^2+1$という多項式が現れる.これは,有理数体上では既約だが,どの素数 $p$ で簡約しても(つまり係数を法 $p$ で考える.例えば $p=3$ なら $x^4+2x^2+1$ を$3$ 元体上の多項式と思う)$p$ 元体上では可約になるという性質を持つ.これはガロア理論と言う,体の(分離)拡大に通用する一般論を越えた,有理数体に特有の理論でないと説明がつかない.

と言うわけで,ようやく代数体の理論に入れそうな晩秋であります.

ゼミに続けて,某会議があり,18時まで詰める.終わってからメールの返事を書いたりして,慌てて帰宅.しかしまだ夜風が生ぬるいのだった.明日は雨だろうか…….

2012年11月4日日曜日

ゴーグル

昨日の小雨模様と打って変わって,朝から青空のひろがる好天だった.山が白く輝いていて,ちょっと様子を見てきたいが,そうもいかない.

昼過ぎから家族で外出.毎月買っているこどもの雑誌や,最近気に入っているらしい,こども向け小説,その他,自分の買い物もする.催し物で,住宅メーカーが色々と展示している一角で,積み木をしたりして遊ばせた.

帰宅して,買ってきた漫画を読みながら一服.豊田徹也 ,「ゴーグル (KCデラックス)」.以前,「アンダーカレント アフタヌーンKCDX」を読んで以来,単行本を買っては読んでいる.ちゃんとお話が作り込まれていて,その手の内にあるのが心地よいような(必ずしもハッピーな話ではいけれども),そんな作家さんだと思います.今作も幾つか,にやりとさせられる小技があって楽しい.

その他,「関数プログラミング入門 ―Haskellで学ぶ原理と技法―」も購入.前の版の,武市先生訳の「関数プログラミング」も昔ながめたのだが,Mirandaの処理系を用意して試すところまではしなかった.使われる言語がHaskellになり,すこし増量されたようで,楽しそう.

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2012年11月3日土曜日

みこし

土曜なのだが催し物が2つあり,まず8:30に子供を連れて某所へ.行ってみたら,そんなに気張らなくてもよい雰囲気で,いささか前のめり過ぎた.所用を果たして帰宅したら10:30.

引き続き,毎年,文化の日に行うのが恒例の,町内こども御輿へ合流.家人がついて回っていたので,交代した.家々を練り歩き,わっしょいわっしょいをやるのである.時折小雨のぱらつく,晩秋と言うより初冬の雰囲気だが,子供たちは元気に……やはり寒そうではあった.終わってからお昼のお弁当が振る舞われた.終わって帰宅したら13:30.

風邪気味なので,後は家でじっとしていた.


2012年11月2日金曜日

ミント

昨晩から今ひとつだったが,起きたら鼻と喉にくる風邪にかかっていた.マスクをして出勤.

仕事中になにげなくガムを噛んだら,ミントの香味がマスクを伝って目に入り,一瞬ひるんでしまった.目は覚めるが,手元がにじんで見えなくなってしまう.

しょぼしょぼと計算をしたりプログラムを書いたりして,少し早めに帰宅.

大学の新設を,文科大臣が最後の土壇場でひっくり返した,というニュースに驚嘆した.あれはどのように収拾がつくのだろう.