2008年12月20日土曜日

事態の推移を見守りたい:「emobileは人を騙す」

emobileは人を騙す」というblog entryを発見。emobileの1ユーザとして、事態の推移を見守りたい。

携帯電話の料金体系というのは大抵複雑怪奇だが、上記のエントリの記述を見ると、やはりemobileの自動チャージは、課金体系と整合していないように思う。少なくとも、「錯誤による契約無効」が主張できる余地があるように思われる。

私は自動チャージの設定をしていないし、クレジットカードの登録もしていない。webmoneyによるチャージにするつもりだったし、こういう話を聞くと正しい判断だったかと思う。

2008年12月18日木曜日

グールドのピアノ

私のこだわり人物伝 2008年4-5月 (2008) ヘルベルト・フォン・カラヤン 時代のトリックスター/グレン・グールド 鍵盤のエクスタシー (NHK知るを楽しむ/火)という小冊子をぱらぱらと眺めていたら、長くグールドのピアノの調律を勤めたエドクィスト氏の手記が掲載されているのを見つけた(翻訳・再構成は宮澤淳一氏)。

グールドはチェンバロによるヘンデルの録音「ヘンデル:ハープシコード組曲」を残している。大変親密な雰囲気のすばらしいアルバムだと思っていたのだが、なぜチェンバロで演奏したのか、ということについては深く考えたことはなかった。

エドクィスト氏の手記によると、実はこの時期、グールド愛用のスタインウェイCD318は、輸送中の事故により大破して工場送りになっていたという。落とされて上下さかさまになり、フレームプレートに4箇所ひびが入るほど非常に大きな衝撃を受けたと推測されている。「破損を発見した晩、グレンは私をつかまえ、少なくとも2時間にわたり、CD318に関する質問を浴びせかけ、不安をぶつけてきた」。

工場で新たに鋳造されたプレートをはめ込まれて返送されてきたが、「しかし音は変わっていた」。

その時点では、ピアノはスタインウェイから貸与されていたものだった。後にスタインウェイは、それぞれのピアニストに購入を求めた。グールドは、以前の音色を取り戻さなかったそのピアノを、何故か買い取ったそうである。

暖炉の傍で薪のはぜる音を聞きながら楽しむような雰囲気のヘンデルの録音だが、こういった逸話を知ってからだと、また違った趣を感ずるものである。



2008年12月13日土曜日

京都出張

12/8(Mon)--10(Wed)と京都出張。例年この時期に催される、整数論の研究集会に出席するためだった。

初日は朝六時過ぎの特急に乗って移動。9:15京都駅発の17系統に乗れれば10時開演に間に合うのだが、列車の遅れなどのため接続できず。9:30のバスで移動して、わずかに遅れて会場入り。初日はGalois表現に関するSerreの保型性予想に関するサーベイほか、Galois表現の話題が主。

昼食は、京都へ来ると一度行く体に悪いラーメン。だが、お店の定休日をいつも勘違いして、今回も定休日なのに店の前に。同道の知人から、同じ屋号の別のお店が近所にある旨を教わって、そちらへ移動。無事ありつけた。夜はとんこまさんと歓談。お付き合いいただきありがとうございました。

翌火曜日は、会場とその周辺を出入りしつつ、自分の仕事を進める時間をとる。昼食を北白川辺りの和食の店で済ませて、散策。お屋敷街で、色々と面白いのだが、人に話して伝わる面白みでないのが残念なところ。暖かい日で、自らの心の裡を見ながら歩く。夜は京大生協の書店を冷やかしたり。

水曜日は個人的に目玉の講演(数式処理ソフトMagmaの紹介)があった。しばらく前に、同講演の講演者に指摘されるまで知らなかったのだが、pari-gpの有理数計算が、他の計算ソフトに比べると遅いという事実。ちょっとショックだったのです。

もし読者の方の手元にpari-gpが使える環境があれば、sum(k=1,10^6,1/k)を計算して時間を計ってみていただきたい。そして他のソフトと比べてみてください。これについては未だにいろいろ試行錯誤しているところ。少なくとも、GMPを使ってCで書いても大して速くならないので、GMPの有理数計算がそれほど速くないということは言えそう(特に何の工夫もしない場合は)。

参考までに、7月に隣町のセミナでSageの紹介をしたときのプレゼンを再掲: